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マクドナルドのマニュアル 02

 私は勤務していた経験のあるダンキンドーナツやマクドナルドに加えて多くの外食企業のコンサルティングの経験から、数多くの外食チェーン大手のマニュアルを拝見しました。その中でも、マクドナルドのマニュアルは膨大で幅広いのが特徴です。

 その理由は直営店舗の多さです。現在は全世界で35000店舗のうち1000店舗位が直営店ですが、一時は7000店舗ほどが直営店でした。
米国のファスト・フード企業のほとんどがフランチャイズ・チェーン中心の展開です。ファスト・フード企業で一番店舗が多いのはサンドイッチのサブウエイで37000店舗ほどがありますが、直営店舗はゼロです。これは直営店舗では利益を出せないからです。
ハンバーガーでマクドナルドに次いで多いのが、バーガーキングですが、直営店は少なく、大規模なフランチャイジー企業が多く、企業によっては1000店舗以上を経営しています。

 マクドナルドの利益率は通常の外食企業の2倍もあります。この仕組みを完成させたのが、創業者の子飼いでのちに養子となった、2代目CEO(実際はソネボーンが2代目で、3代目だが、マクドナルド社内にはソネボーンの名前は残っていない)のフレッド・ターナーです。
創業者のレイ・クロックはマクドナルドの利益が出ないと悩んでいました。そのマクドナルドの利益が出る仕組みを考案したのが、ソネボーンです。土地を銀行ローンで購入し、さらにそれを担保に建物を建てて(土地と建物を担保に借り入れして資金を集め、固定金額で返済する)、フランチャイジーに売り上げが上がると変動金額で貸すのです。
それによって、わずかなロイヤリティーだけでなく、膨大な家賃収入も見込めるのです。この仕組みを気に入ったフレッド・ターナーが、全米の店舗の50%程の土地を取得し、莫大な利益をあげるようにしたのです。

詳細は以下をご覧ください
https://www.food104.com/food104/post-3827/

 この不動産による利益をさらに増やす仕組みを築き上げたのが、フレッド・ターナーです。創業者のレイ・クロックは、マクドナルドの店舗運営の難しさを、ペニービジネスと看破していました。その利益率の低い直営店をフレッド・ターナーが米国軍隊の規律と、トレーニング方法を取り入れて利益率を高めたのです。

 それが直営店舗の売却(営業権の売却)というという打出の小槌の考案です。マクドナルドは自動車の大量生産と高速道路計画、GIビル、等のお陰で、中産階級が誕生して郊外の新興住宅街に続々と進出していったのです。新興住宅街にいち早く出店することで土地取得コストは大幅に安くすることができ、自社の売り上げの伸びにより、不動産価値が上がり、変動の売り上げロイヤリティと家賃を上げることができたのです。

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