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カルチョフィ

初夏の爽やかな日が続いているプーリアです。この時期、カルチョフィ(アーティチョーク)、そら豆、グリーンピース、早生種のさくらんぼやイチゴなどの収穫やトマト、インゲン豆の植えつけなど畑作業がたくさんあります。イチジクやズッキーニの葉も大きくなってきました。オレンジやみかんなど柑橘系の花の香りが漂い、オリーヴの蕾やブドウの実も顔を出し、自然の伊吹を感じています。

収穫した豊かな恵みは無駄にしないよう保存用に加工しなくてはなりません。実はこれが一苦労です。我が家では今年はすでにカルチョフィは120個以上下処理し、冷凍や瓶詰めにしました。グリーンピースは鞘から出して生のまま冷凍します。さくらんぼは種を取ってジャムやシロップ漬けにします。自分たちで食べる分とプレゼントにする分で一年で使い切れる以上の量が採れます。

そら豆は生食する分以外は収穫せずに放置してカラカラに乾燥する秋まで待ちます。鞘を叩いて実を落とし、硬い外皮をナイフで剥いて中の実だけの状態にして保存します。それは秋から冬にかけて農閑期に近所の女性たちが集まっておしゃべりしながらする手仕事で、プーリアのソウルフードとも言える乾燥そら豆のピューレに欠かせない作業です。
店頭価格で地元産の乾燥そら豆は1kg4ユーロ、エジプト産のものは2.5ユーロで売られています。自分で手作業をする事を考えると割りが合わないと思ってしまいますが、おばあちゃんたちが暇に任せておしゃべりしながら細かい手作業をするという行為には、ボケ防止や情報交換などお金には換算できない様々な効果が隠されているとも思えるのです。食べ物が食卓に上るまでどれだけの手がかかっているのかを子供たちが垣間見ることで食育の意味でも大切なことだと思います。

ただこういった作業も若い頃からやってきていないとなかなか急にできることではないなとも思います。手作り、手作業を厭わず、近所に住む人達との共同作業が日常生活の一部になっているようなライフスタイル。今まさに見直されている生き方とも言えるでしょうか。

うちの乾燥そら豆は、実は以前はいつも叔母の家へ持って行って剥いてもらっていました。85歳になり一昨年から入退院を繰り返している叔母ですが、今年は一緒に作業ができたらいいなと思っています。

大橋美奈子 Facebook
https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス
minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人の
ジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、
レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストラン
のビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した
超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業した
ビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を
授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考
え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したので
す。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家
農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽
しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報
発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っておりま
す。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が
惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報を
お届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺り
がプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダ
プーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日
本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人
のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464
106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という
方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農
家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料
庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウ
をはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山ありま
す。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地
で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係に
あります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、
飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア
料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好き
なアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子


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