見出し画像

【みょうが饅頭】

小さな庭の隅に、茗荷が繁っています。放っておいても毎年生えてきます。
この季節になると藪を掻き分けて、茗荷の芽を摘んで、そうめんなどの薬味に使ったり、酢漬けにしたりと(茗荷の花も酢漬けに出来ます)楽しんでいます。SNSに写真を上げると、熊本の友人から葉っぱを分けて欲しいとリクエストが届きました。
なんでも「みょうが饅頭」を手作りするらしいのです。
熊本県中南部の八代、宇城地方では、いま時分、田植えの後などに一服する時に食べて来たのだとか。白玉粉と小麦粉を練った生地で餡子を包んで蒸し、さらに茗荷の葉で包んで蒸す。野良に持って行く際はベタつかず持ち運ぶことが出来る。茗荷の葉は調理器具でもあり、包装材でもあり、さらにほんのり香る調味料でもあるのです。笹で包む、饅頭やちまきはありますが、茗荷の葉で包むというのは、身の回りにあるものを使い切る先人の知恵ですね。
また、饅頭に使う白玉粉は、熊本県中南部が産地になっており、製粉会社が数社あります。八代周辺は、江戸時代から干拓地を拡げている米どころです。収穫された、うるち米やもち米を、九州脊梁山地から流れる豊富な水で挽いているのが八代の北東部にある宇城市小川町あたりの製粉業者なのです。
地形的に扇状地になっていて、西には干拓地が広がり、八代海を挟んで三角半島や天草諸島が望める場所です。先人達は、汗をかいた一仕事のあと、ひと息いれながら、この風景を眺めていたのでしょうね。
写真をさがしていたら、なんと農林水産省のページにありました。
農林水産省 茗荷饅頭
https://traditional-foods.maff.go.jp/menu/myougamanjuu
水の国 熊本
https://www.kankyo-kumamoto.jp/mizukuni/kiji003293/index.html
 
火乃国製粉
http://siratamako.com/index.html
日の出製粉
https://www.hinodeseifun.com/company/
白玉屋新三郎
https://www.shiratamaya.co.jp/
 
【プロフィール】
 
上田和久
 
kazz@studiowork.jp
 
スタジオワーク合同会社 代表
 
1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。
国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター
上田和久 facebookは
https://www.facebook.com/kazz.ueda
 
経歴と仕事分野
 厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。
 主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。
 具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。
 食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?