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マックのマニュアル その16

 マックのマニュアルの中心は600ページを越える膨大なオペレーション&トレーニングマニュアルだ。以前何回か述べている様に米国マック成熟期は全世界に7,000店舗近い直営店舗を展開していた。これがマックのマニュアルを他社と異なるものにしている。利益率の低いファストフード店で利益を出すにはなみならない苦労が必用だ。
そのためオペレーション&トレーニングマニュアルを取り巻くいろいろなマニュアルがある。その中で特筆できるのは、調理機械メンテナンスマニュアルや、調理機械プリベンティブカレンダー、POSシステム(コンピューター化のレジ)、ISP(POSの売り上げデーターなどの処理用コンピューター)等だ。マクドナルドの売り上げは忙しい店舗だと1日で300万円、1時間で50万円にもなる。

 私は日本マクドナルド創業後2年してダンキンドーナツから転職した。2店目の配属で歩行者天国のある新宿東口駅前の新宿二幸店(三越の食品子会社で、現在はスタジオアルタ)だった。
最初に配属されたお茶の水店は学生街にあるから平日と日曜日の売り上げの差はほとんどなく、米国のように売り上げは毎日均等だった。歩行者天国にある店舗の売り上げはものすごい物で立ち食いのファーストフードとして大人気で、日曜日には売り上げは数百万円にもなる。
 配属初日は日曜日だった。当時の筆者の売り上げの経験はドーナツ時代で1日10万から20万円くらいが最高だったし、お茶の水店でも100万円くらいであった。ところがこの新宿二幸店ではなんと数百万円を1日で売り上げるのだ。まるでハンバーガーが弾丸みたいに飛び交っているのだ。

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