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マックのマニュアル 04

第一回目でフレッド・ターナーが作った初期のマニュアル(僅か89ページ)をご紹介したので、今回は1989年の米国マニュアルをもとに作った、1990年日本のオペレーションズ&トレーニングマニュアルの目次をご紹介しましょう。624ページもあります。


 以前もお話ししたようにマクドナルドは当時全世界に7000店舗近くの直営店舗を展開していたので、オペレーションズ&トレーニングマニュアルを頂点に、前回お話ししたアルバイトと社員のトレーニングカリキュラム、ハンバーガー大学授業カリキュラム、エクイップメント・マニュアル、サブマニュアル、トレーニングカリキュラム、ハンバーガー大学各講座、QSCチェックリスト、決裁権限設定、人事規則、など幅広いマニュアルなどの裾野が広がっています。

マクドナルドの創業者のレイ・クロックがよく言うペニー・ビジネス(1円玉を大事にしなければならない細かい利益管理)という考え方があります。

例えばハンバーガーに入れるケチャップ缶ですが、使用した後、ケチャップ缶を缶切りで開けて、ゴムスパチュラで舐めるようにきれいに使います。

ハンバーガーに入っているコンディメントのピクルスや、乾燥玉ねぎもイールド管理という細かい歩留まり管理をします。

 マクドナルドを高利益率にしているのが、アルバイトを活用し、給料の高い社員を少なくすることです。レストランでは経験を必要とする調理作業もアルバイトでもできるようにするための専用の高性能自動調理機器を開発し使用しています。

プロの調理人であれば、加熱機器の温度や調理時間の調整は経験で行いますが経験のないアルバイトに調理させるため、温度や調理時間を設定できる調理機器を開発しています。

食材もマクドナルドの専用食材メーカーに加工させ、一定のポーションコントロールをして、店舗では最終調理すればよいのです。

ハンバーガーに入れるケチャップやマスタードなどの味付けでも、専用のディスペンサーを開発して一定の味ができるようにしています。

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