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プーリア料理の前菜

ナス、ズッキーニ、トマト、パプリカ、インゲン、などの夏野菜やプラム、洋梨、イチジクなどの果実が豊富なこの時期、保存食作りも大事な仕事です。

プーリア料理の特徴の一つが、種類豊富な前菜のオンパレード。レストランでも家庭でも少なくとも5−6種類の品が所狭しとテーブルに並びます。
定番としてはモッツァレッラやジュンカータなどのフレッシュチーズ、カチョカヴァッロなどのセミハードタイプのチーズ、カポコッロやサラミなどの加工肉類、ローストパプリカやズッキーニなどの野菜類、酢漬けのカタクチイワシやムール貝のパン粉焼き、時にはウニ、イカ、貝類など生の魚介類などなど。そしてそこに欠かせないのが、酢漬けのナスやアーティチョーク(カルチョフィ)、小玉ねぎ、ズッキーニなどです。
初めてプーリア料理に出会った時は「すごいご馳走!」とその豪華さにびっくりしました。味のバラエティも豊富で、前菜だけでお腹いっぱいになってしまうくらいです。

実際プーリアの結婚式などの宴会では、これでもか、というくらいの前菜の後、プリミピアット(パスタやリゾット類)が2品、さらにメインも魚と肉の両方という場合もあり、それこそ一日中食べて飲んで踊ってという映画さながらのどんちゃん騒ぎになります。
と、言ってもこれは一昔前の話。コロナ禍で大きく状況は変わりました。コロナ禍以前から結婚式の地味化はイタリアでも進んでいましたが、今後ポストコロナの時代、どうなることでしょう。

話はそれましたが、プーリア料理の前菜の豪華さもよく見ると季節の新鮮な食材と保存食で構成されていて、それほど手の込んだ料理は含まれていないのです。
我が家周辺でも兼業農家的な生活をする人が多いので保存食はどこの家でも作ります。既製品とは違いシンプルに塩、酢、ハーブ類のみという味付けで野菜の美味しさもいきています。これらと常備しているチーズや加工肉があれば突然の来客にも対応できます。
さらに畑からとれたての野菜を添えれば十分なご馳走になるという訳です。農民料理は保存食あってこそだと思います。
一番の定番であるナスの酢漬けは肉のグリルなどの口直しにもピッタリ。こちらの主流である身のしまった米ナスをスライサーで薄切りにして水にさらした後塩漬けにして水分を抜いたものを酢漬けにします。風味付けにミントやニンニクを加えて瓶に密閉して出来上がり。瓶の消毒や真空密閉など時間と手間もかかりますが、慣れればお手のもの。

我が家周辺では自家農園を持っているレストランも多く、ほとんど自家製の保存食も作っています。元々イタリア料理は家庭料理が基本。プーリア料理と言えば農民料理。ありったけの保存食を前菜にお出しするのが農民料理のおもてなしです。

大橋美奈子 Facebook
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メール・アドレス
minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子

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