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プーリアの七草と冬野菜

プーリアの冬は野草が美味しい季節でもあります。日本と気温的にはあまり変わりませんが、地中海性気候は冬に雨が多く湿度も高いため野草も雑草も緑色に元気に育ちます。春に花の咲かせる蕾ができる前の葉が一番柔らかくて美味しいのです。折しも旧正月を迎え七草粥を思い出しました。自然に沿った食文化は洋の東西を問わず共通点が色々とあります。
我が家の七草と言えば、ニエーテ、シヴォーニ、チコリエッレ、ルーコラ、ボラジネ、パパヴェリ、サルヴィアといったところでしょうか。
この中でニエーテとは地元の方言でビエトラのこと。日本ではスイスチャードとかフダンソウなどと呼ばれる青菜です。シヴォーニは野芥子のこと。パパヴェリはお馴染みのヒナケシ。ボラジネは日本ではボリジと呼ばれるハーブ、サルヴィアはセージです。チコリエッレは野生のチコリで、日本でも手に入るエンダイヴやラディッキオとは大分イメージが違い、細長いタンポポの葉という感じの草です。どれも種を蒔くでもなくオリーヴの木々の周りに自生しています。 アクや苦味があるので、しっかり塩茹でしてオリーヴオイルやチーズをかけて食べるも旨し、オックステールでとったスープと一緒に食べるのもさらに旨しです。山盛りの野草、パンとチーズと少しのサラミにワインで充分に満足な夕食となります。

野草ではありませんが、プーリアの冬野菜で忘れてはならないのがチーマディラーパです。プーリア人が一番好きな野菜と言っても良いでしょう。直訳すると「蕪の芽」になりますが、蕪のように根を食べる野菜ではなく、アブラナ系の菜花の一種です。葉と茎、花の蕾の部分を全て食べます。茹でるよりオリーヴオイルと塩でオイル煮にするのがおすすめです。ニンニクとトマトを加えてじっくり煮込むと独特の苦味と甘みが引き立ちます。プーリア伝統の耳たぶ型パスタ、オレキエッテをチーマディラーパのソースで食べるのがプーリア料理の中でも一番有名な一品です。ポイントはチーマディラーパをパスタによく絡むよう柔らかく煮ること。パスタを茹でるお湯に一緒に入れて茹でる作り方もあります。アンチョビを加えることによって味に深みが出ます。さらにオリーヴオイルで炒ったパン粉をかけるとコクが出ます。野菜をたくさん食べられるヘルシーなソースです。アブラナ系の野菜は日本にも色々ありますね。国内産のチーマディラーパも出回るようになりましたが、菜花、かき菜、ブロッコリー、カブ、からし菜、野沢菜などなど身近に手に入る野菜を何種類か合わせて使うのも良いかもしれません。プーリア流に柔らかくオイル煮にしてパスタソースにして召し上がってみてください。

大橋美奈子 Facebook
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minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子

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