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連載小説「私の話 2022」①

1. 2022年7月19日

(上掲スキャンした原稿をテキスト化したものです)

 行きつけの喫茶店といっても、来るのは1ヶ月ぶりくらいになるのではないか。前回、来た直後から体調を崩し、近所のスーパーマーケットさえ行くことができず、文字通り精神科の通院しかできなくなってしまった。
 家を出られなくなった日のことは、よく覚えていて、それは検診の2日目で胃のバリウム検査の日だった。6月だったと思うが異様に暑い日で、そうでなくても調子が悪いのに水も飲まずに外出することは困難だった。
 それ以来、毎晩、滝のような汗をかいては1時間おきに目が覚め、それなのに疲れが取れないので目が覚めても疲れが取れない上に説明のし難い苦痛に耐える日が続いた。
 それが、夜中に目が覚めるのは変わらないものの、昨日から滝のような汗はかかなくなった。そして今日は眼科に通院することになっていたので1週間ぶりに無理してシャワーを浴びた。
 精神科の薬が強くなったのが効いたようで、不安で目が覚めても30分せずに眠りに落ちを繰り返している。それで何とか眠りを確保しているようであるが、昨日からは少し効きすぎている感じがしなくもない。
 今朝、午前9時に目を覚まして区の担当の保健師に電話をしたのだが、再び眠りに落ち恐怖に襲われて、これまた再度、保健師に電話をしたのだった。電話をしたときには不安もかなり抽象化して和らいだが、眠りに落ちて不安に襲われたときは、かなり具体的なものだった。
 何かコンスタントに予定がある方が良いかもしれないねと保健師に言われたが、たしかに、今日、こうして外出できたのは眼科の通院があったからであろうが、前回の検診のときのこともある。

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