🇰🇷文法と距離を縮めたその後

韓国語の基礎文法を1年間勉強した。基礎文法だけ。発音練習も会話の練習もコミュニケーションさえもなしでひたすらコツコツと。

一年後、韓国語のことを何も知らなかった。文字と文法以外。韓国語勉強したの？喋ってみてよ！に答えられるのは、...앙년하세요アンニョンハセヨ！しかない。あれまぁ、文法だけが友達じゃあダメなんだぁ。

しかしこの時点でその真理に気づかない私。レベルアップを図ろうと初級から中級への階段を登るために新たな文法書を入手した。ひたすら文法をがんばったら話せるかな〜と呑気だった。ぽけーっとがんばった。そしてその結果。勉強意欲の自然消滅。せっかく色々買ったけれどもモチベーションが続かなかった。あったりまえだ。韓ドラも見ない、K-popも興味ない、韓国人の友達もいない、芽生えた韓国語欲求が消えないでいてくれるための栄養ドリンクがどこにもなかった。一旦、挫折となる。

月日は疾風の如し。
韓国語に触れることなく2年ほど過ぎた。
暑い夏。もわっとした空気が私を離さない島の上。どこまでも続く空の下、農場にいた私は癒しを求めた。愛の不時着を見よう。あんなに噂になっていたのだからきっと、それなりに楽しめるはずだ。ラブストーリーなんて、という拒否反応なんかクソ喰らえだ。見てみることにした。

鑑賞。

私は猛暑を突き放し、颯爽と駆け抜け、星たちがきらきら降り注ぐ涼しげな風の中にいた。オアシス。風の中でふわふわ浮いた。救われたみたいだった。韓国ドラマ、好きです。

「愛の不時着」以来、たくさんの韓ドラを見た。韓国語の音ってこんなにもキュートで心地よかったんだ。韓国語とデートがしたい。もっと知りたい、聞きたい、きゅん。韓国語が生きているのを見ることができて嬉しかった。嬉しさの気持ちそのまま、懐かしの、2年前の、韓国語の文法書を開いてみた。

📖

どど。衝撃波で髪が浮いた。
同じなのに違う。全然違う。
音が、韓国語の音が耳元まで走ってくる。聞こえる。私に語りかけてくる。
文字を追っているだけなのに、文字たちと一緒に音がいる。そうだったんだ。やっとわかった。言語は音ありきなんだ。音があるんだ。気づいたそのとき、私は真の語学学習を理解した気がした。

私は、韓国語を最初に学んでから2年後、ようやく耳を使って言語を学ぶ楽しさを知った。音で覚えると耳に、脳に残りやすいと体感した。

これからの語学学習スタンスを手に入れた。



そしてこの後。
私は韓国の友達を探すことになる。