どんな診察でも重要なものの一つに『問診』がある。
動物病院に来た時点での状態はその時の『今』しかわからない。
そのため、過去の状況を把握するには、話を聞くしかない。
しかし、もちろん動物自身が言葉を話すことはない。
そのため、動物を連れてきた方からお話を伺うのだが・・・

実は、動物病院での問診で、重要なのはその過去の状態を知ることだけではない。
問診を通じたコミュニケーションで、飼い主の方と信頼関係を築き、そして飼い主の方の物事に関する考え方や、動物に対する知識レベルを確認するのである。

動物の治療は、我々のような獣医療従事者が担う部分って実はわずか。
ほとんどは飼い主の方にかかっている。

我々ができる治療なんて、病気を治すためのほんのわずかなところしか関われない。
ほとんどは日常生活の中で動物自身、そして動物の最も身近で、動物の生活を担っている飼い主の方が治すのである。

動物病院の診療は、ほとんどがそのことを飼い主の方に気づいていただき、そしてそれを実践していただけるようにアドバイスすることなのである。

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