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「商品口座プロジェクト」開発者インタビュー後編 〜もっと多くの人に資産運用を〜

商品口座のビジネスチャンスとは?

司会:
お二人がFOLIOに入社されてから現在に至るまでの経緯を前回のインタビューでお聞きしました。最終回の今回は、前編でお話を聞いた商品口座プロジェクトの今後について聞かせてください。まず高山さんにお聞きしたいのですが、これを基軸に、今後はFOLIOではどのような事業展開を考えているのでしょうか。

高山:
そうですね、引き続き商品口座を作ったロボアドの基盤で次のビジネスをやりたいなと考えています。具体的にお話しますと、時間はかかりましたがチームでしっかり作り込んだおかげで、想像以上に良いロボアドの基盤が作れたので、これを他社で展開していきたいですね。

他社でロボアドサービスの導入をお考えのところに、FOLIOのプラットフォームを提供していきたいです。まさにSaaSに近いような形で提供できないかと今色々模索しているところです。FOLIOのプラットフォームをB2Bで提供していきたいと考えています。

司会:
そのB2Bビジネス(プラットフォーム事業)はいつ頃から考えていたんですか?

高山:
実はFOLIOに入る前からこういうことはやりたいなと考えていました。前職でEMSを作った話をしましたよね。いいメンバーがいて面白いものができたので、どこでもポータブルに持っていけるしスケールアウトも自由にできるし、機能も拡張できるものを作ったのですが、そもそも売るビジネスを立ち上げるための部署を立ち上げるところから始める必要があったり、思っているようなビジネスにならなさそうだったんです。それが転職を決めた理由の一つでもあるのですが、ノウハウを作ったものの、会社の制約があって横展開できなかったかったんです。

司会:
確かに大企業は制約が多そうですね。

高山:
でもスタートアップなら、もしかするとこういうビジネスも可能かもしれないと考えて、それが今、形になろうとしているんです。

今回作った商品口座が実際に横展開できるかも、という可能性がより高くなったのは、2020年3月頃です。このプロジェクトを動かすにあたり、細かい部分のアドバイスを頂くためにあるコンサルタントの方に相談に乗ってもらっていたのですが、ある時その方が「このロボアドの基盤ってSaaSとして提供する予定ありますか? よく出来てるなと思うんで、もし良ければ他社さんに紹介してもいいですか?」と言ってくださったんです。

その方は業界では結構な重鎮の方で、数十年証券会社向けに色々なシステムのコンサルテイングをやられていた方です。その方の話の内容をFOLIOのCEOである甲斐に相談したら「他の会社に持っていったら興味持ってくれるところあるんじゃないの?」と言われたので、色々なところに話を持っていったら結構興味を持って下さる会社さんが増えはじめたんです。

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FOLIOの提供しようとしているプラットフォームによって、全国の金融機関(銀行、証券会社など)が自社ブランドでサービスを提供できる様になります。

自分に合わせた働き方ができる社風

司会:
なるほど、そういう点もFOLIOに転職をする一つの理由だったんですね。たしかにスタートアップという面でも、FOLIOの社風という面でも、ウチの会社は裁量を持って働ける部分が多いですよね。高山さんは、商品口座プロジェクトにおいて、どのような裁量を持っていて、その裁量のレンジに対してどんな満足度を感じていますか?

高山:
そうですね、裁量の面ですと、品質を高める部分にこだわっているのですが、その部分に関しては比較的自由にやらせてもらえています。もちろん経済合理性も鑑みての話なので、あまりにもその目標が高すぎてリリースできません、みたいな話だと仕事にならないので困りますが(笑)。

きちんとリリースできる範囲内で品質を高めるということにおいては、マイクロマネージメントされることはないので、その点においては本当に働きやすいですね。

クオリティーを高めるために設計で細かく作り込むこともあるのですが、「それは無駄だからやめろ」みたいなことを言ってくる人は誰もいませんし、そこの部分は本当にありがたく、そういう風土というかカルチャーがあるから楽しくお仕事ができていますね。

司会:
そういうカルチャーがFOLIOらしさなんですかね?そういう哲学を持っている人が集まっているから、そんな思考になっているんですかね。

松林:
多分メンバーを信頼しているからなんでしょうね。「この人がこう言ってるんだから任せよう」と思い合えるような社風があると思います。私もそういう意味においては働きやすさを実感しています。ちょっとはみ出して働いていても、誰も止めないと言ったらいいんでしょうか。

自分に合わせた働き方ができますし、「自分はこうしたい」と言って手を動かしちゃえば、それに合わせて他のメンバーも「じゃあどうそれをサポートしようか?」と考えてくれる文化はあると思います。

高山:
わかります。私も最初はバックエンドで入社したんですが、いつの間にかマネージャーをしてるので、流れるようにやりたいことをやらせて頂いている感じです(笑)。

松林:
熱意ある人が多いですし、熱意ある人を止めないでファーストペンギンを積極的にサポートしていく、みたいな人が結構たくさんいるので、組織としてうまくバランスが取れてるなと思っています。

最適なSaaSの形を探ってゆく

司会:
みんながみんな、やりたいことを好き勝手にやっていたら組織って崩壊するように思えますけど、サービスをよくしよう、組織をもっと磨こうという前提で個々人がそうやって動いていると、いい方向にいくもんなんですよね。
ところで話はかわりますが、金融業界においてSaaSを展開するのって結構一般的なんですか?それともニッチなんでしょうか?

高山:
証券業界でFOLIOに近いSaaSというのは、まだ例が少ないと思います。私の知る範囲なので間違っているかもしれませんが、多くはバックオフィスシステムやそれに付随するオプションとしての提供がほとんどという認識です。

例えば「証券の売買が出来ますよとか、資産管理や経理仕分けは任せてください」というものは色々とあります。ただ、あくまでプリミティブなコマンドやクエリといったAPIの提供までで、それを使ってどんなサービスを作るかはよく言えば自由、悪くいえば曖昧なものが多いです。中にはラップ口座や投資助言に特化したものもありますが、特定のバックオフィスシステムでないと導入できないなど、まだまだ制約が多い認識です。

一方でFOLIOが提供しようとしているSaaSは、導入した会社さんが新しくロボアドというプロダクトを立ち上げるお手伝いをするもので、単にAPIを提供するものではありません。特に大事なのはFOLIO自身がリテール向けにロボアドプロダクトを提供していますので、このプラットフォームにもプロダクトの立ち上げと成長に必要なエッセンスを詰め込んでいます。

また商品口座プロジェクトで設計と開発にしっかりと取り組んできたおかげで、既存の業務やシステムにも組み込みやすいポータビリティの高い製品が出来ました。このように、業務とテクノロジーを高い次元で融合したプロダクトのためのプラットフォームというのが、FOLIOのSaaSの特色で強みですね。

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toCプロダクトのノウハウを詰め込んだ「商品口座」により、既存の業務やシステムにも組み込みやすいプラットフォームを実現しました。

司会:
確かに少ないですよね。このSaaSというのは、何らかのプラットフォームやサービスをオープンにして、どなたでもお使いいただけますよ、という状態を提供するということですよね。

高山:
ほぼそうなのですが、そんなに完全にオープンにできるか、というとそこもまた難しいんですよね。最終的にはエンドユーザーとなる一般のお客様の資産にかかわる機能ですので、業務フローへの組み込みのために、導入のためのコミュニケーションが必要だと考えています。一方で導入や運用をスケールアウトさせることも大事なので、よりSaaSに寄せていくことも重要です。

SaaSは導入企業としてもメリットがあり、2C事業で出た「こういうサービスの方が使いやすい」「こっちの方がもっとユーザーフレンドリーだ」といった意見から生まれた機能やHotfixなどもすぐに適用されます。全員にメリットがあるような、最適なSaaSの形を模索していくことが必要かなと考えています。

司会:
もっと便利で使い勝手のいいSaaSにしていこう、というのはある種チームや会社のミッションのようなものになっているんですか?

高山:
そうですね、これは競合他社との違いにも関連する話なんですが、他社と同じようなことをやっていたら、同じようなやり方が合理的になってくると思うんです。

金融系のベンダーさんって沢山ありまして、大手ももちろん何社もあります。そういう大きな会社に、FOLIOのようなスタートアップが勝つためには資金力では到底敵わない。ですから戦い方を変えよう、ゲームチェンジをしようと思っていますし、金融業界で本当のSaaSはどうしたら実現できるのか?という点はきちんと追求しているつもりですし、それをこれからも続けていきたいと考えています。

今まで金融業界の開発は請負で要件を受けて作り、成果物をクライアントに渡して「はい終わり」というのが一般的でしたが、そこからの脱却が実現できないかなと考えています。ある程度機能が揃ったプラットフォームをFOLIOが用意し提供しますが、それを具体的にどう既存のシステムや業務に組み込むのかは自明ではない部分もありますので、導入の部分をコンサルしたり、プラットフォームの上で展開するビジネスをどうしたら軌道に乗せて成功させられるか、という部分の助言などをしていきたいですね。

プラットフォームはそれとして提供しますが、そこからプラスアルファで派生する部分についてもFOLIOでプラットフォームを導入されるお客様にアドバイスやサポートができる体制を整えていきたいと考えています。

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今回のインタビューも、コロナの影響もあってzoomを活用してオンラインで実施しました。FOLIOではリモートワークが完全に定着した一方、ご家庭の事情などで出社して仕事をしたい社員に対しては、出社してもよい運用となっています(緊急事態宣言が発令された場合などでは運用が変わることもあります)。

よいサービス、良い商品を多くの人に届けるために

司会:
お客様が使いやすかったり流入しやすくなればなるほど、同業他社が増える可能性が大きくなりますが、そこは危惧されてないのでしょうか?

高山:
たしかにB2C向けの企業は増えるでしょうね。ただ、資産運用サービスを一つの会社でやっても、それが社会にインパクト与える規模に成長するのは時間がかかるなと、今のFOLIOのB2C向けのサービスを扱っていて感じているところなんです。ROBO PROはとてもいいサービスですし、ユーザーからもいい評判が聞こえてきています。

ただ、今はFOLIOに口座を持っているお客様しか利用できないのですが、プラットフォームを導入する会社が増えれば、色々なところでROBO PROを利用できるようになる可能性があります。

これはROBO PROに限らず世の中にある良い商品全てに言えることで、もっとこれを広めたい、このサービスをもっと多くの人に使ってもらいたいという思いに対して、プラットフォーム事業がその一助になればいいなと考えています。

また同時に、一つの金融機関が何個も何個もサービスを出していくというのは限界がありますよね。ですから色々な会社がFOLIOのプラットフォームを導入することで新しい金融サービスを提供できるのであれば、それは我々のやっていることは社会的な意義があるのではないか、と考えてB2B事業を広げようとしているんです。

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FOLIOの提供しようとしているプラットフォームは、ユーザーの目線で見た時、サービスを提供する金融機関の目線で見た時、それぞれにとって社会的な意義のあるものなれるように、toB事業を進めています。

司会:
今まで金融機関というのは、ユーザーの皆様から何らかの形で手数料を頂き、それで支えられてきた部分がありました。しかし今はデジタル化の波などを受けて、金融商品の売買手数料をはじめとする様々な手数料が安くなったり無料化していますよね。こういう流れになっている時代に、この商品口座プロジェクトはどんなメリットを与えられると思いますか?

高山:
確かにおっしゃる通り、今この業界では売買手数料がどんどん下がっていますよね。確かにデジタル化は日々進み人の手がかからなくなってきますから、ユーザー側の立場になって考えても、「こんなにデジタル化されているんだったら、もっと手数料下がってもいいのでは?」と言われるのはまさに当たり前の話ですよね。

でもそうすると、この業界は何でユーザーからお金を頂くのか?ということになりますが、私はこれからは付加価値が大切だと思っています。たとえばROBO PROの場合ですと、人間が予想することは大変難しい資産比率をユーザーに提供することが付加価値と考えています。あとは市況を見ておこなわれる資産比率の変更ですね。こういう付加価値を提供し、その対価としてお客様からフィーを頂戴する。これは色々な参加者が入ることによって、付加価値の創造はより良くなっていくでしょうし、横展開をすることで利益を享受するユーザーも増えていくと想うので、そのような部分は今後積極的に取り組んでいきたいですね。

司会:
松林さんは、技術的に見て今後FOLIOがSaaSをやっていくというお話に関して、どういう点に魅力があるとお考えですか?

松林:
自社だけで運用するサービスの場合、細かな部分の融通が効いたり、お客様には影響の出ない範囲で細かい作り込みには目をつぶれる部分があるんですね。

ただB2Bのサービスを作る場合はシステム的にもっと堅牢になってないといけませんし、運用面においても今までは自分の会社の中だけで堅牢に動いていればよかったのが、何社も使っていただけるようなサービスになると、これまた話が色々変わってくるんですよね。たくさんの会社に導入してもらうには、運用も含めたより多くの部分が自動化されているシステムにしないといけないので、ここが技術的にチャレンジしがいがあるなと感じています。

そういったチャレンジのスタートラインに立っているというのは一つの魅力ですし、そこで終わりではなく今後さらにクオリティーを上げていくチャレンジが見えているというのも魅力です。

司会:
FOLIOのある意味ミッションというかビジョンというか、多くの社員が「資産運用をもっと簡単にできる世の中にしたい」と思って働いていると思うんですが、今からやろうとしていることも、そういう未来を見据えて動いている部分があるのでしょうか?

高山:
私は長い間金融業界にいますが、最後に行き着く所は本当にそこだと思っています。日本ではまだまだ資産運用は根付いていませんし、「一部のお金を持っている人がやること」という印象が強いですよね。

資産運用に対するリテラシーを上げるのも我々の使命だと思っていますが、それと同時に、もっとお客様が使いやすいサービスを提供することも大切ですよね。結構使い勝手が悪いサービスもありますし、複雑だったり制約が多かったりもしますよね。

富裕層の人達であれば、プライベートバンカーのような専門の人にまるごとお金を預ければその人が運用してくれますが、そうでない方々が世の中はほとんどで、多くの方は普通預金にお金を預けているのがメインですよね。これは完全に私の主観ですが、もっと富裕層がやっているような資産運用を民主化して、一般の人にもそんな運用ができるような世界にしたいなと思っていて、そうすれば社会的格差などももう少し縮まるのではないか、と感じています。

今まで一部の人しかアクセスできなかった世界に、我々のサービスを使うことで踏み込めるようになる、そんな社会になったらいいなと考えています。

松林:
私もその思いは高山さんと同じで、もっと色々な人が投資ができるようになる世界を作りたいですね。今はまだ「ロボアドバイザー」と言われても、何のことだかよくわからない方が多いと思うのですが、そんな世界を変えて「ロボアドバイザーで投資をするのが当たり前」そんな社会が作れたらなと考えています。

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資産運用という言葉やその必要性は以前よりも身近に感じられるものになりましたが、まだまだ一部の人にとってのサービスなので、資産運用が誰にとっても身近なものになるように、FOLIOの挑戦はまだまだ続きます。

B2C向けサービスの経験をB2B事業に活かす

高山:
確か2003年に政府が「貯蓄から投資へ」と謳い、多くの人に資産運用をするように働きかけていましたが、まだまだハードルが高いですよね。投資というのは多くの人にとって、小難しい勉強をしてからじゃないと理解できない世界と思われていますが、そこの壁をできるだけ低くしたいです。

投資をやっていない側とやっている側をつなげるためにはなにか仕組みが必要で、それは投資一任契約に基づいた資産運用だったり、もしかするとユーザーのお金に対する知識を上げる教育かもしれないですし、それらのことは今後取り組んでいきたいですね。

松林:
あと私は、B2Cに向けたサービス提供の経験をB2Bに向けたビジネスにどこまで応用できるか?に挑戦したいと思っています。

司会:
それはなぜでしょうか?

松林:
実際に運用してみると、オペレーション上のイレギュラーな動きや、お客様からよく頂くお問い合わせの内容というのが、システムを良くするためにとても大切なんですよね。

実際にユーザーの声を聞いて初めて分かることもたくさんありますし、そういう経験の元でできたロボアドの基盤というのは、とてもクオリティの高いものだと思っていますし、実際に運用しながら獲得したノウハウを他社に提供できるというのは、強みとしてはかなり大きなものではないかなと考えています。

多くのユーザーの声を聞き、社内のメンバーの知見を活かし、技術力で磨き込んだサービスを提供できるのはB2Cビジネスをやっているからこそできるものだと思っています。

司会:
高山さんもB2Cビジネスの大切さは感じていますか?

高山:
はい、まさに松林さんと考えは同じで、さらに補足させていただくと、そんなB2Cで学んだ知見をB2Bで他の会社さんに提供できることがウチの強みの一つだと思っています。

もちろんB2Cで多くのユーザーさんに使ってもらえるようなサービスを目指すと同時に、そこだけでなくてB2C事業も広げていき、両方にインセンティブがある状態にして、B2Cでやって横展開できることに関しては惜しみなく横展開することで、ロボアドバイザーの世界を豊かなものにしていくことがFOLIOにとってプラスとなる世界が作れると考えていますので、相乗効果が生まれるはずなんですよね。

プラットフォーム事業とB2C事業の両立が可能であるということはつまり、「おまかせ投資」や「ROBO PRO」そしてLINEスマート投資の「ワンコイン投資」を通して得られた知見をB2B事業に活用できるということです。そしてそこで得られたノウハウをSaaSを通じてパブリックに極力オープンにしていけることになり、それはFOLIOの強みになりますし、フィンテック企業でも稀有な立ち位置になるのではと考えています。

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FOLIOはB2C事業をやっているからこそ、生のユーザーの声を聞きながらサービスを磨き込み、それをB2B事業で他社のために活用することができます。

松林:
今FOLIOがやっているプラットフォーム事業が広まって、それがDX(デジタルトランスフォーメーション)普及の一助になったらいいですよね。

高山:
SaaSをやるメリットは色々あるのですが、このサービスを導入して下さるのは銀行や証券会社が中心だと思っています。銀行をはじめとする企業が、自分たちで専門家を雇い、体制を作って運用できるようにするのは、お金の面でもノウハウの面でもすごく大変なんですよ。おまけにマーケティングしようと思っても、専門家を雇わないといけませんし。自社の中でこういう仕組みを作ろうと思っても、投信の販売など別の仕事もある中で、ロボアドだけを一分野として専門でやるのはなかなか大変です。

その点、もしFOLIOのプラットフォームを導入してもらえれば、資産運用面はFOLIOを含めたプロが参加出来ますし、導入面でもFOLIOの立ち上げと運用のノウハウが提供可能ですので、銀行や証券会社は既存の業務の延長で対応が可能なんです。

一方ロボアドバイザーを提供する投資運用業者からみても、大きなメリットがあります。投信の場合は発行した後に実際に顧客と対面するのは、銀行や証券会社の営業員の方だったわけですが、ロボアドバイザーは顧客と投資運用のプロが直接関わることになります。これまでは得たくても得られなかった顧客との接点が産まれることで、新しいビジネスモデルを作るきっかけになる可能性が出てきます。

これはまだ想像ですが、投資運用のプロが商品を提供するのであれば、もしかしたら保険と同様にマーケティングもプロが直接行なった方が良いのかもしれない。そうなると銀行は売るための営業活動が不要になり、お客様と同じポジションからプロの開発した商品を見て良いものだけを推奨していく、より顧客本位なFP(ファイナンシャルプランナー)に近い形に移行していく可能性もあるんじゃないかと考えたりしています。

私の想像はさておき、今まで銀行がラップ口座を導入しようと考えた時に大変だった部分がアウトソーシングできるようになりますので、だいぶ業務の負担が減るのとビジネス的にもより発展する可能性がある、という意味においてはDXという観点から見てもメリットがあると感じています。

司会:
今DXは国が力を入れていますからね、これから色々な部分でDXが加速する時代が来るでしょうね。FOLIOが取り組んでいるプラットフォーム事業も、世の中の多くの人にもっと利便性を与えられる一助になるといいですね。本日はありがとうございました。

この記事で紹介した新しいシステムをベースに、エンタープライズSaaSである4RAP(フォーラップ)を2021年1月に提供開始致しました!全国の銀行・証券会社等の金融機関様が4RAPを利用することで、高機能なロボアドバイザーやラップ口座などのサービスが簡単に提供可能となります。
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