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衆議院予算委員会での発言・まん延防止延長反対の背景について

仲田さんが行っているZoom説明会で、私の衆議院予算委員会での発言と基本的対処方針分科会でのまん延防止延長反対の背景について説明させて頂きました。リンク先から動画をご覧頂けます。用いたスライドもアップします。

オミクロン株の特徴は、感染力が非常に強い一方で、重症化リスクが高いのは高齢者と基礎疾患がある人に偏っていることです。感染拡大を抑えることを最優先にするということであれば、クラスターが頻発している保育所、学校、職場、家庭、高齢者施設での人との接触をできる限り少なくすることです(政策A)。そういう政策もオプションとしてはあります。感染拡大を抑えるよりも重症化リスクの高い人への対策を重視するという政策もあります(政策B)。どちらのオプションを取るかは価値判断です。正解はありません。

政策Aは、感染拡大を抑えて、医療機関の負担を小さくし、重症者を少なくし、亡くなる人を少なくできるというメリットがあるかもしれません。一方で、保育所や学校を閉鎖することで、子供たちの成長に影響が出て、親の仕事にも影響が出る可能性が高いです。しかも、季節性インフルエンザなら子供たちにも重症化のリスクがありますが、オミクロン株の場合には子供たちが重症化したというデータはほとんどありません。家庭内でも個室にこもって生活するというのはあまり現実的ではないと思います。

政策Bは、感染者の数が多くなり、今の保健所の仕組みや医療機関の体制のままでは、その対応をしている人たちに大きな負担がかかります。しかし、感染者の全数把握をやめ、効果が小さい濃厚接触者の管理と行動制限をやめ、どの医療機関も重症化リスクが高い患者を早期に診断・治療できるようにすれば、この問題はかなり解決します。保健所や医療機関に余力がでれば、重症化リスクが高い人たちへのワクチン接種と治療に力を入れることができます。そうすれば、重症化リスクが低い人たちの行動制限をする必要がなくなります。

他にも感染力が強い感染症はありますが、無症状や軽症が多いものについて、感染拡大を防ぐために社会全体を巻き込んだ行動制限を課しているものはあまりありません。感染を防ぐというのは重要なことですが、やはり重症化リスクと比較して判断すべきではないでしょうか。完全ではないかもしれませんが、重症化リスクを防ぐためのワクチンもあり、治療薬も既にあります。そうしたものがなかった時と同じ対策を続けるべきか、是非、みなさんが考えて下さい。価値観に依存しますから、専門家だけで判断できるものではありませんし、そうすべきではありません。

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