コロナ禍、景気の底はいつか?
2020年7月第3週、東京では感染者が増加し、15日には感染拡大警報が発令になりました。個人的には重症者数、死者数を重要指標として見るべきと思いますが、Go toトラベルなど政府の政策には賛否分かれるところです。
さて政府の政策は環境要因(アンコントローラブル)として捉えるとして、経済への影響はどのようなものであったのか、統計指標を整理してみました。
まず内閣府が発表している消費者態度指数を使って、コロナ禍1年前の2019年1月から最新今年の6月までのグラフを描くと、2020年4月が底となっています。(消費者態度指数は、消費者の今後6ヶ月間の消費動向の見通しを表しているもので、暮らし向きや収入、雇用環境などの観点から5段階評価のアンケート結果を指標化しているものです)
また小売店やレジャー業界で働く人や、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人調査している「景気ウォッチャー調査」でも同様の傾向がみられます。
アンケート調査なので回答者の感覚値が元になっていますが、景気は人々の気持ちがベースにあります。両指標を見ると緊急事態宣言が明けて経済は回復基調に向かっていると考えることができます。
驚くべきは、消費者態度指数の2020年4月の数値21.6が、統計開始以来最低ということです。東日本大震災では、2011年4月が33.2、リーマンショックでは2009年1月が27.5という数値です。
景気ウォッチャー調査でも2020年4月の数値7.9に対して東日本大震災では、2011年4月が23.9、リーマンショックでは2008年12月が19.0という数値です。コロナウイルスが日本経済に与えた影響の大きさを物語っています。
では、コロナ禍による景気低迷は、いつ復活するのでしょうか?
消費者態度指数で東日本大震災をみると、震災前の水準まで戻るには、20か月後アベノミクスの2013年1月までかかっています。
リーマンショックは意外と速く、2009年7月まで6カ月で元の水準まで回復しています。
コロナ禍は、①落ち込みのレベルが史上最大であった点、②先進国から途上国まで全世界で大きな影響を受けていること、③生活者の景気動向に直結していることなど悪い条件が重なっています。
精緻な回復時期は算出いたしませんが、立て直しには、これまでの災害と比較にならないくらい長期間かかると考えます。
次回は、生活者向けビジネス(BtoC)と事業所向けビジネス(BtoB)に分かて統計データを見ていきたいと思います。
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