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リベンジ消費は起きているのか?

毎日の通勤電車の混雑ぶりから、コロナ禍が終息していると感じる今日この頃ですが、依然として消費は以前の水準まで回復していないようです。
2022年12月時点でのデータを収集してみました。

1.アフターコロナにおける消費意向

コロナ禍終息後における各活動への支出意向をみると、国内旅行などコロナ以前の水準に戻す割合の高い支出項目(46%)がみられるものの、全般的にリベンジ消費意欲は高くない状況が見られます。(2022年7月調査)

NRI「日本のデジタル活用状況調査」

要因は、生活意識としてコロナ前の生活には完全に戻らないとしている人が7割以上存在することが挙げられます。

NRI「日本のデジタル活用状況調査」

その理由として、「今の生活様式に慣れてしまったから」が大きな要因であり、増加傾向にあります。

NRI「日本のデジタル活用状況調査」

マスクや会食人数制限など不便なことはあっても、リモートワークやSNS、動画視聴など便利で合理的な生活習慣に対する利便性享受が大きな要因と考察します。

2.リベンジ消費への意識

もう少し抽象的な意識の変化はどのようになっているでしょうか?
性年代別にみると、高い消費意欲を持った属性はありません。

その理由として、物価上昇がボトルネックとなっていることが分かります。

3.家計調査からみる消費支出の推移


では実際に消費にかけるお金はどうなっているのでしょうか?
総務省が毎月実施する家計調査2人以上世帯の消費支出金額について2019年からの月別推移をグラフ化してみました。

グラフの真ん中の横線が増減率0%の基準です。赤い折線が前年同月比で黄色の折線が2019年同月比増減率です。2020年は前年を上回ったのは10月のひと月だけです。21年は3月,4月,5月,12月の4カ月です。
22年は10月までですが、8月以外の9か月が前年を上回っています。これだけみると消費は上向いている考えられますが、19年比では4月と10月の2月だけとなります。

総務省 「2020年基準 消費者物価指数」

家計調査は金額ベースでの時系列比較をしたのですが、要因としては物価上昇が挙げられます。22年10月の総合指数は前年同月で3.7%の上昇となっていますので物価上昇の観点もリベンジ消費が進まない大きな要因と言えるでしょう。

4.まとめ

いくつかの情報からまとめると以下のように整理できます。

  1. リベンジ消費は思うように進んでいない

  2. リモートワークや動画視聴などの利便性享受や慣れがひとつの要因

  3. もう一つは物価上昇による買い控え

円安や世界同時不況など懸念材料も多い年の瀬ですが、2023年は景気が上向き、楽しい1年がくるように祈念します。


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