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娘を連れてきてくれた愛犬

夫と同棲しだしてからミニチュアダックスを迎える機会があり「うちの子」になった。ダックスの性格のいい所だけ取ったような愛犬で犬嫌いの方にも全力でしっぽを振りながら近づいてしまうような子だった。

1年ずつあけながら雑種の愛犬たちを迎えて3頭の多頭飼いになる。夫と私の中でも決めていた事だけど体の大きさに関わらずミニチュアダックスを1番にする、と。

犬は群れる生き物。体の大きさで優劣が決まる事もある中、ミニチュアダックスは率先して群れのリーダーを務めたし、雑種の愛犬たちもそれに従った(自然とそうなった訳ではなく、そうしつけた)

9歳を迎えた年に突然の別れがきた。調子が悪そうだが検査しても分からず開腹手術をした所、脾臓捻転していた。開腹が遅れた為に術後の経過が悪かった。夕方に悪化した為、病院に運びそのまま入院する事になった。

「また会おうね」これは私が毎日、愛犬たちが寝る時にかける言葉。そして朝、起きた時に「また会えたね!また会えたね!」って茶番をする為のセリフ。

病院を離れる時に「また会おうね!」と声をかけたらいつものようにしっぽをパタパタと振った。まさかそれが最後の別れになるなんて。

その半年後、私は1%の奇跡で妊娠した。その愛犬が帰ってきてくれた、と心底思った。病気があり高齢だった私は何度も入院しながら過ごした。胎動が愛犬の喜ぶ動きと似ており大事に大事に過ごし出産に臨んだ。

生まれた子はダックスと同じで髪がくるくるした愛らしい女の子だった。愛犬の存在を強く感じた。私も夫も言い知れぬ気持ちになり涙が溢れた。

「また会えたね!また会えたね!」

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