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お尻

お尻は人生を物語る

先日、銭湯に行った時のこと。

当たり前だが、銭湯には色んな年代の方が詰めかける。

その日も、70を過ぎているであろうお爺さん、

ゴルフ帰りの汗を流す40〜50代のおっさん、

サウナブームに乗じてやって来た20代の兄ちゃん、

家の風呂とは比べものにならない広さに、プールと勘違いして大はしゃぎする子供、

一つの湯船があらゆる世代で形成されていた。

その世代ごとをお尻にフォーカスして観察してみた。

子供のお尻はツルツルのプリンっプリンで可愛らしい。

それから10代、20代になると、筋肉質でガチっとした感じになり、40代、50代になるとお腹と共にお尻もたるみだし、お爺さんになると太ももとの境目が分からなくなるほど垂れる。

小さい子供のプリンっプリンなお尻と、お爺さんのしわしわのたるんたるんなお尻を交互に見比べる。

「こんなにプリンっプリンなお尻も、いつかはこんなにしわのしわのたるんたるんになるんか〜」

その間には、
仲間と切磋琢磨する日々や恋愛に一喜一憂する青春時代があり、社会に出て荒波に揉まれながら奮闘する時代があり、家族が出来て守るものができて責任を背負う時代があり、それらを次の世代に受け継ぎながら荷を下ろす時代があり、最期を迎える時代がある。

しわ一つないプリンっプリンなお尻は、それらを経験しながらしわしわたるんたるんなお尻になる。

しわやたるみは、それまでの人生に刻んだ足跡なのか。

そう思うと、しわもたるみも悪くない。

お尻から人生を学んだ銭湯での一夜だった。

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