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細々と書く男性高音のお話~その弐・ピンチはチャンス

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 最近、普通に更新を忘れてた()
 さて、今回は発端のお話。その発端はある奇妙なところから訪れた。

 中学時代で、私はいじめに近い、というかいじめと言えばほぼそう通るだろう事態に直面していた。それも歌で。

「お前がいたから合唱コンクールは銀だったんだよ」
「お前の音は汚い」
「どうにかしろよその音」
「お前がいるから今年の選抜合唱は壊滅だな」

 上の文章はどれも実際に受けた言葉の要約。口撃はともかくとして、3番目の意見も未だに理解不能。いや、「何かしてほしい」のは分かる。だが、「何をしてほしいのか」「打開策は何か」がない、無責任な押し付けだ。そして4番目の口撃を受けたのち、事件は起きた。プレッシャーのあまり本番で音を外した。しかもそれだけならまだしも、見せしめに「こいつ音を外したんだよな~」と辱め。以降、歌うことは恐怖の対象でしかなかった。
 歌うことだけではない。以来、この一件が引き金となって人前で何かやることに過剰なプレッシャーを感じてしまうようになった。人前に立ってガチガチになって笑いものになる。そしてまた嫌になる。で、また繰り返す。この悪循環であり、ネタにしてくる奴らが心の底から憎かった、でも事実であり、反抗することはできなかった。

 高校で一応、芸術分野の選択で音楽はとったが、それはあくまでピアノを弾くことができたから、ということだけ。高校ではマンツーマン式の歌唱テストですら歌いたくはなかった。それほどまでに歌が嫌いになった。

 そんな風に歌にマイナス感情を抱いて大学生になった時のこと。部活の「前期お疲れ様会」の二次会(当時は2019年)でカラオケに行くこととなった。そう、マイナスな感情を持ったまま。が、幸いにも仲間が良かった。「最初のうちはみんな点数低いから大丈夫」
「おいおい、初心者の前にそんな点数(94点)取っていいのかよw」
とまあこんな感じ。そして私の番。三浦大知氏の「U」を歌った。その時、声のひっくり返ること。まあ高いんですよね…でも結果は80点ちょい。
「初心者で80点はすごい方だよ」
と言われ、私はちょっと意気揚々。この声がひっくり返る問題をどうにかしようと思い、いくらか低音で歌ったが、あることを思いついた。

 裏 返 っ た 声 を デ フ ォ ル ト に す れ ば い い の で は ?

 そうやって歌ったBeverly氏の「Everlasting Sky」(『劇場版 仮面ライダービルド』主題歌)は大成功。調子に乗って『仮面ライダーOOO/オーズ』主題歌として名高い大黒摩季氏の「Anything Goes!」も同じように歌ったらまさかのカラオケ初日にして90点タイという…恐ろし()
 この一件があって、彼らがいるときは安心することができた。が、本当にそのケースの恐怖だけを克服しただけだ。とはいえ、この「楽しい時間の共有」の大事さは身に染みた。
 こうして、私の男性高音を鍛える道は始まった。

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