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『クラッシュ・ロワイヤル』レビュー

今回はクラッシュ・ロワイヤルについて見ていきます。
僕が大好きなゲームです。

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どんなゲームか

・ジャンル
リアルタイム

・リリース日
2016年1月4日

・開発会社
Supercell


面白いところ

このゲームの面白いところは、一言で言うと「デッキの戦略性」「バトル中の戦術性」です。
ちなみにここでは、

・戦略性…メインの遊びを行う前にできる試行錯誤
・戦術性…メインの遊びを行う最中にできる試行錯誤にできる試行錯誤

と定義しています。
(スプラトゥーンなら、戦略性は「どんなギアやブキを使うか」、戦術性は「ステージのどこから塗るか、敵を倒すのを優先するか、塗りに徹するか」です。)

クラロワは、ユニットの組み合わせとそれらを出す順番場所タイミング次第で勝敗が簡単にひっくり返るゲームです。
相性の良いデッキを組んでいたとしても、キャラを出す順番、場所、タイミングをミスれば簡単に負けてしまいます。
しかも、ゲーム前、ゲーム中とほとんどランダム性は薄く、全て自分の判断で操作をした感覚が強いため、負けた時の悔しさはハンパなく、「悔しい!もう一回!」となります。

-デッキの戦略性

では「デッキの戦略性」から見ていきましょう。
デッキを組む目的は、相手のタワーを倒すことなので、プレイヤーはどのユニットを駆使してタワーを倒すかを軸に考えていきます。
ただ、キーとなるユニットには、その対策ユニットが必ず作られています。

参照:[GDC 2017]「クラッシュ・ロワイヤル」における健全なメタゲームの構築と維持の秘訣を,ゲームデザイナーが語る

そのため、対策ユニットの対策を考えて、さらにその対策がどう来るかを考えて…という具合に、使いたいユニットを中心にどのようなバトルが展開するのかを先読みしてデッキを組んでいくのが奥深くて面白いです。

ホグライダーを中心としたデッキや

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ゴーレムを盾にしたデッキや

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エリートバーバリアンを中心にしたデッキなど

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デッキのパターンは千差万別ですし、通常のバトルで対面する相手は常に異なる人なので、正解がなく編成を楽しむことができます。
そして、たくさん先読みして苦労して作ったデッキがガッチリハマった時がめちゃくちゃ気持ち良くて、勝利にとてつもない達成感を感じられます。

ただ面白いのが、デッキを完璧に考えて相手との相性が良くても必ずしも勝てない、というところ。
その「必ずしも勝てない」の要因が、バトル中の戦術性にあります。

-バトル中の戦術性

クラロワは、バトル中にたくさんの行動選択のジレンマがあり、またそれがリアルタイムに目まぐるしく変わっていくところがとても面白いです。

クラロワの戦術性のカギは、エリクサーを管理しながら、
・どんなユニットを置くか
・どのタイミングでユニットを置くか
・どこにユニットを置くか
というところです。

-どのユニットを置くか
例えばエリクサーの消費量が大きい強力なユニットを置くと、エリクサーを回復している間は他のユニットが出せないので、その間に相手が少コストユニットで攻めてくる可能性があります。

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逆に少ないエリクサーの弱いユニットを重ねることで相手に大コストのユニットを置かせない、という戦い方もできます。
そして、選べるユニットは常に4つの選択肢の中から1つです。
ユニットごとにエリクサー消費量が異なり、かつ選べるユニットに制限があることで、「どのユニットを置くべきか」という行動選択のジレンマを生んでいます。

-どのタイミングでユニットを置くか
攻める時も守る時もユニットを置くタイミングは重要です。

▼攻める時
例えば相手が大コストのユニット(ゴーレムなど)を置いた瞬間は、相手の残りエリクサーが少ないのですぐに他のユニットを出せません。
そのタイミングを狙って、逆サイドに高速移動するユニット(ホグライダーなど)を置けば相手はエリクサーが足りないので対処できずに、比較的簡単にタワーを倒すことができます。
ただ、チャンスだと思って攻めすぎると先に置かれた大コストユニットに倒されるリスクも高まります。

▼守る時
敵ユニットが自分の陣地内に侵入すると、プリンセスタワーが攻撃します。この仕様を活かして、敵がユニットを置いてもあえてジリジリと引きつけてプリンセスタワーが攻撃する範囲に来るタイミングでユニットを置けば、守りやすくなります。
ただ、引きつけすぎると守りきれなかった時に突破されやすくなりますし、引きつけている間は相手もエリクサーを溜め込むことができるので、それだけリスクもあります。

このように、ユニットを置くタイミングにおいても、「このタイミングで置くべきか、もう少し待って置くべきか」というジレンマを生んでいます。

-どこにユニットを置くか
フィールドには橋が2本架かってあって、プリンセスタワーも2つあります。この配置が猛烈に面白さを生んでいると思います。
片方を攻める姿勢を見せながら不意に逆サイドを攻める、といった戦法で、それがハマる時もあれば逆サイドを攻めたはいいけどガッチリ対策されてしまって不利になってしまう、ということもあります。
「どちらのタワーを攻めるべきか」という行動選択のジレンマを生んでいます。

このように、選ぶユニット置くタイミング置く場所という観点でそれぞれジレンマがあるので、常に最善の策を考える必要があり、これがたまらなく面白いのです。

売れているところ

プレイヤーが課金するポイントは、下記にあります。
①宝箱開封の時間短縮時間短縮
②ユニットを強化するためのゴールド
③特定ユニットの獲得

クラロワの課金は、育成に特化しています。
ユニットを獲得すること自体はとても簡単ですが、そのレベルを上げるのにとても時間がかかります。
それを短縮するために、ユーザーは課金をします。
では、もう少し細かく、どういう時に課金したくなるかを見ていきましょう。

①宝箱開封の時間短縮時間短縮
あのユニットを強化したい!となった時に、以下のように気持ちが働きます。
・あのユニットを強化したい!
・強化のために必要なユニット数が足りない
・バトルで勝利して宝箱を獲得するしかない
・1つの宝箱を開けるために3〜12時間かかる
・宝箱を時間をかけずにすぐ開けたい
・課金

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②ユニットを強化するためのゴールド
強化するための必要なユニット数が揃った!
・強化のためにはゴールドが必要
・ゴールドがほしい
・課金

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③特定ユニットの獲得
デイリーセールで強化したいと思っていたor欲しかったユニットがある!
・買うためにはゴールドが必要
・ゴールドがほしい
・課金

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また、最近は微課金施策として「シーズンパス」(600円)を導入しています。

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これを買うだけでだいぶユニットとゴールドを獲得できるので、結構お得です。

その他

その他、遊んでいて「これすごいな」と思ったものがあるので、それをぜひご紹介したいと思います。

クラン対戦が神施策

まず、どんな施策なのかを説明しましょう。
「クラン対戦」は、集めたユニットで戦いあって勝利ポイントを競い合う定常GvGモードです。
勝利ポイントが高いほど、報酬(ゴールド)をたくさん獲得することができます。
もう少し詳細に書くと、以下のような感じでしょうか。

-クラン対戦の概要

・クラン(ギルド)ごとに、トロフィーを奪い合うゲームである。
・準備日と戦闘日(それぞれ1日ずつ)があり、それぞれで異なる行動をする。
・準備日ではバトルを最大3回行い、その結果に応じて戦闘日で使えるユニットを獲得することができる。(負けてもユニットを獲得できるが、勝てばさらに多種のユニットを手に入れられる)

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・戦闘日では、準備日で集めたユニットを用いてデッキを組み、1人1回のみバトルをすることができる。

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個人的には、このクラン対戦は神施策です。
なぜなら、この施策で複数の課題を解決していると考えられるからです。


-クラン対戦が解決した課題

運営的には、おそらくこれらの課題があったんじゃないかなと予想できます。

①1vs1バトルのプレイ率を上げたい
協力バトル(2vs2モード)は、1vs1のバトルとは対して負けてもトロフィーを失うリスクがありません。
しかも面白い。

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しかし、運営的には1人用バトルをやってもらってトロフィーの上げ下げが発生しないと、キャラの強化需要が高まらないし売上にも繋がりません。
僕自身も、クラン対戦が実装されるまではトロフィーが落ちるリスクがなくて面白い2v2ばかりをやっていました。
その結果、1vs1の戦い方を忘れるほどでした。

②もっと色んなカードの需要を作りたい
何度もバトルをしていれば、自分なりの戦い方が固まってきて、お気に入りデッキというものは固まってきます。
そうすると、他のユニットは育てる必要がなくなるわけです。
となると、クラロワの面白さの一つであるユニットの組み合わせを考える部分が薄れてしまうので、与えたい体験からは離れてしまいます。
しかも、カード需要も弱まってしまいます。

③クラン入団率or入団後継続率を上げたい
クラン対戦が実装される以前のクランに所属するメリットは、
・カードを寄付し合える
・フレンドバトルができる
・イベントの先行体験ができる
くらいでした。 

これらの課題を、クラン対戦で次のように解決しました。

クラン対戦の準備日では、(2vs2もありますが)1vs1のバトルが多いです。(課題①を解決)
準備日では様々なルールのバトルを楽しむことができます。
例えば使うデッキが決められている「クラシックチャレンジ」や、バトル前にカードを1枚ずつお互いに選んでデッキを作る「ドラフト」など、自分が組んだデッキが使えないルールのバトルが多いです。

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ということは、 必然的に色んなカードを使わされることになるので、あまり使ったことがないカードで「どう勝つか」を考えることになります。
この経験をすることで、「なるほど、このカードはこういう戦い方もできるのか!」と今まで触れてこなかったカードの活躍イメージが湧きやすくなるわけです。
こうすることで、カードの需要が増えていると思います。(課題②を解決)
さらに、クラン対戦の報酬はゴールド約1,000枚くらいで、通常のバトル5回分くらいの報酬量です。

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めっちゃお得なので、これはクラン対戦をやらない手は無いですね。(課題③を解決)

このようにクラン対戦は、これらの課題を華麗に解決している神施策だと考えています。


・・・というわけで、クラロワについてざっと見てきました。
個人的には、無意識にアプリを開いちゃうほど好きで、ずっと長く遊べるタイトルなので、末永く続いてくれると嬉しい限りです。

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