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コロナ時代のライブビジネスとは?/『フォートナイト』からヒントを得る

こんにちは、Fujiです。

#これからの仕事術 という面白いハッシュタグがあったので、僕も書いてみようと思います。

「仕事術」というとノウハウなど具体的なスキルっぽい話を思い浮かべるのですが、僕は逆に抽象的に、「これからのライブビジネスについて」というマーケティング的なテーマで自分の考えを述べることに挑戦してみようと思います。

ゲーム業界を日頃よくウォッチする立場として、『フォートナイト』というゲームがライブビジネスを考える上でだいぶヒントになりそうだなと思ったので、もし興味を持って読んでいただければ幸いです。



【ライブビジネスのヒントはフォートナイトにあり】

フォートナイトというゲームをご存知でしょうか?

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アメリカのエピックゲームズが開発するバトルロイヤルゲームで、
「1つの島に100人のプレイヤーが降り立って、島中に落ちている武器を拾いながら戦い合って最後まで生き残った人が勝利」という基本ルールのゲームです。

このジャンルのゲームは、他にもPUBG荒野行動などの有名タイトルがあります。

フォートナイトが他のゲームと比べて特徴的なところがありまして、それは建築エモートです。

建築は、島の中で集めた資材で壁や屋根を建てられる、というゲームシステムですね。(話の本筋ではないのでこの話はここまで)

エモートは、その言葉の通り、感情表現です。
プレイヤーは多種多様なエモートを選ぶことで、ゲーム中に感情表現をすることができるんです。

このページを見ていただければ分かりますが、めちゃくちゃ数があります。
ちょっとした仕草のものもあれば、本格的なダンスまで。

実際に動いているものはこんな感じ。

このエモートは後で取り上げるので、覚えていただけると嬉しいです。


で、このフォートナイトの何がヒントになるかというと、数ヶ月前にフォートナイトのゲーム内で行われたライブイベントです。

実は、(ゲームなのに)このフォートナイトの世界で、実際の有名アーティストであるトラヴィス・スコット(Travis Scott)が、ライブパフォーマンスを行ったんですよ。

・・・ちょっとよくわからないって?
百聞は一見にしかずです。

・・・ヤバくないですか?コレ。

この表現、全部ゲームで実現できてるんですよ。

で、数字で示すとそのヤバさがさらに分かると思うんですけど、
このトラヴィス・スコットのライブの観覧者数、なんと1200万人以上です。

主にアメリカ人が多いとは思いますが、世界中の1200万人以上の人が同じ空間を共有していたんです。

僕は映像でこのライブを初めてみたのですが、正直衝撃を受けました。

と同時に、このフォートナイトのライブは、これからのコロナ時代のライブビジネスを考えるにあたって、実は非常にヒントになるのではないか?と考えさせられました。


【上質なライブ体験に欠かせない要素】

フォートナイトのライブを見て、僕はその映像表現にものすごく感動したのは事実ですが、
それと同時に「しっかりライブ感のある体験だったな」という体験が残っていたんです。

別にリアルなライブに行った訳ではないのに、この感覚はなぜなんだろう?

オンラインでこの感覚を生み出せるなら、コロナの影響でリアルライブができない今でも、上質なライブ体験は作れるのではないか?
こう思いました。

ではまず、フォートナイトを見た上で感じた、「上質なライブ体験に欠かせない要素」をまとめていきます。


▼知らない人と限られた空間を共有している

当たり前と言えば当たり前ですが、この「限られた」というのがとても大事だと思います。

もちろん「この場所でしか見れないコンテンツですよ」という場所的な限られ方もあれば、
「この時間でしか見れないコンテンツですよ」という時間的な制限のされ方もあります。

今回のトラヴィス・スコットのライブは、時間も空間も限られていました。
指定された時間でゲームに入らないとライブは見れなかったですし、ライブ中は指定された場所で行われました。

そして「空間」というのも重要です。
知らない人と共有されるのが、立体的な空間であればあるほど、没入感を引き起こします。

2D的な空間の共有で例として挙げるなら「SHOWROOM」がありますね。

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もちろん、これだけでも知らない人と空間を共有して、各々がリアクションをして、上質なライブ体験を得ることができます。

その空間を、3Dにしてみんな自由に動けて感情表現もできるようにしたのが、フォートナイトです。


そして、共有する空間をさらに現実に近づけたのがVR Chatですね。



▼知らない人がそれぞれ好きなようにリアクションしていて、それが見える

そして、知らない人と空間をただ共有しているだけではなくて、
それらの人々がリアクションを取っていることも重要です。

たとえ、空間を共有していたとしても全員が「前向け前」で同じ方向を向いていて何も動きがないと、アーティストがどれだけ良いライブを見せてくれても盛り上がりに欠け、乏しいライブ体験となってしまいます。

サマフェスなどの音楽フェスに行ったことは分かると思いますが、観客の中にはアーティストの方を全く見てなくて(というか背中を向けていて)ひたすら音楽にノッて踊っている人もいます。
でも、そのような感じで各々が好きなようにリアクションをしているからこそ、ライブとしての良さがあります。

逆に言うと、オンラインライブで、共有する空間は3Dじゃなくても、色んな人がリアクションを取っているだけでも、ライブ体験としてはちゃんと楽しいんです。

だってYou Tubeライブとかインスタライブとかがそうですよね。

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あれは視聴者はほとんどテキストだけでしかリアクションを取ることができません。
それでも、「知らない人がそれぞれ好きなようにリアクションをしていて、それが見える」という体験は、楽しいライブ体験として実現することができます。

だから、各々が感情表現ができて、それを各々が見れるということは質の高いライブ体験を作る上で重要だと思います。

ここで、フォートナイトのエモートの話をしましょう。
前述したように、あのエモートは数多くあり、仕草やダンスで自分の感情を表現することができます。

僕がフォートナイトの動画を見てライブ感を感じたのは、(限られた同じ空間を共有していることに加えて)各々がエモートで多種多様にリアクションを取っていることが要素としてとても大きかったと思っています。

実はフォートナイトではトラヴィス・スコット以外にも過去にマシュメロ(Marshmello)というアーティストがライブをしたことがあるのですが、

この動画を見ても分かるように、各々が本当に自由に好きな場所で好きなリアクションを取っています。

以上のように、上質なライブ体験に欠かせない要素として、

・知らない人と限られた空間を共有している
・知らない人がそれぞれ好きなようにリアクションしていて、それが見える

これらが重要であると僕は考えます。




おまけ

ここまで読んでいただいてありがとうございます。
ここまで読んでいただいたということは、
もちろん、トラヴィス・スコットのライブ動画は見てもらっていますよね?

あのライブについてもう1つ衝撃的な事実をお伝えします。
実はあのライブ、全て「リモートワーク」で完結した仕事なんです。

それを知って、僕はもう笑うしかありませんでした。
マジかよアメリカ・・・。



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