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2020年2月9日 14:56

FUJI XEROX SUPER CUP 2020　Result 3-3(pk 2-3)

2020年の公式戦の初戦はとても面白い試合になりました。やはり神戸のチームとしてのレベルは相当高く、個の質だけでなんとかしていた神戸とは全くの別チームとなっていました。

一方のマリノスですがどうだったでしょうか。前半はおそらく誰が見ても納得できる内容ではなかったと思います。簡単に試合を振り返ります。

新しいチャレンジをした前半

前半はキャンプからチャレンジしてきた形をそのままぶつけてきました。

エリキを左WGに置き、トップの位置で新加入のオナイウが入りました。怪我明けの畠中もメンバー入り。今年初の実戦となりました。

結果的に前半の内容は悪かったですね。神戸の制限をかけるハイプレスを前になかなか前線までボールを逃がすことができず相手に主導権を握られることが多かった。

キャンプからチャレンジしていたエリキのワイド起用ですが現時点ではうまくいっているとは思えません。マリノスのワイドは幅を取り相手DFと一対一になっても質で打開すること、そしてハーフスペースの空間にSBや中盤の選手がプレーする空間を生む位置的優位を持つためにも重要なポジションだと考えます。

エリキは中央よりにプレーしていたので幅が取れず後方からのパスコースも限定されるので、相手からすると守りやすかったでしょう。

新加入のオナイウは積極的に周りと連携しようとしていたのが好印象でした。神戸の守備が良かったこともありあまり大きな見せ場はありませんでしたし、プレスももう少し自分の後ろの状況を確認しつつできれば尚良いかなと。運動量な文句ないです。

どちらにせよ、彼の評価はもう少し待ってあげるべきでしょう。

後半開始時に選手交代で遠藤と伊藤槙人が投入されました。

エリキを最前線に置き、遠藤を左WGに。これは去年の終盤の形と言えますね。

後半は前半と打って変わってマリノスが攻勢を強めます。イニエスタ、サンペールといった中盤の選手が疲弊して構成力が落ちたのもありますが、去年からやってるからなのか全体的にプレーの判断スピードが速くストレスなく見てられました。

エリキが笑顔でプレスをかけ続けるのはサイコパスにも思え魅力的なのですが(笑)、ワイドだとプレスバックやポジショニングも重要なので現時点では中央がいいなあと思いました。

ちゃんと結果も残すのでさすがだなと思います。

エリキと交代で入ったエジガルはさすがの一言です。身長はありませんがボールを懐でキープしてSBなどが攻撃参加するための時間を作るポスト、狭い場所でのパス交換、味方のパスの意図を読みいち早く抜け出す動き。

半年ぶりの実戦復帰とは思えないプレーぶりで、相手GKが飯倉でなければDFラインを抜け出したところでゴールしていたのではないでしょうか。心強い男の復帰はチームにとって朗報です。得点王期待しています。

伊藤槙人はどうかなと思いましたがキャンプのころから主力組に入っていたこともあり落ち着いてプレー。対人守備は安心して見ていられます。ACLでも見たいと思わせてくれました。彼の課題はビルドアップの判断の部分。３失点目のようなパスをしないようにしていければスタメンを奪う日もそう遠くないでしょう。

喜田と交代して入った和田は安定したプレー。去年の最終戦でも感じましたが、彼は自分が動くことで味方とボールを前に動かすのが上手だと思います。

周りの為にパスコースとスペースをつくることができるんですね。あとは体の向きをターンで簡単に変えられるので、難しい体勢でボールが入っても無理が効きます。ボランチは層が薄いと感じていたので安心しました。

試合を見て気になっていたところを今まで書いてきましたが、もちろん他の選手も収穫と課題が出たでしょうし、チームとしてもやすべきことがはっきりとわかるいいゲームだったと思います。

２，３失点目はチアゴと伊藤のミスに焦点が行きがちですがパスコースを増やしてあげられなかったチーム全体の問題でもありますし、もっと言えばしっかりと制限をかけてはめてきた神戸がうまかったとも言えます。

こういうミスが出てもいい試合だったと個人的には感じていたので、この時期でよかったとポジティブに捉えたいと思います。

今年のマリノスはビデオアナリストが二人体制となり、去年以上にプレーの分析を細かくできるようになると思います。その日に出た課題はすぐに分析され選手にフィードバックされるでしょう。

勝つことは簡単ではないと再確認でき、より一層チャレンジしていかないと連覇は難しいのだと開幕前に知ることができたのは大きかったのではないかなと感じます。個人的にはエリキのワイド起用をやり続けてほしいですし、今日出番がなかった選手たちの台頭も期待しています。

コメントを見る限り、ボスも多分前半の形で当分チャレンジしていくでしょう。去年と同じでは対策されてしまいます。アップデートという意味でも必要なことで、苦しくても新しいチャレンジをポジティブに見守ることがサポーターにも求められるのかなと思いました。

新しい船出のためにサポーターは何ができるのかを考えさせられるいい試合でした。

最後のPK戦は人生で一回あるかないかというレベルのものだったと思うので現地で目の当たりにできてよかったです。あれがACL決勝とかでなくてよかった(笑)