ファブリックスキャナーでは、何ができる??
第5回目は、ファブリックスキャナーNOCTASで実験した事についてお話します。
これまではNOCTASでの撮影・マップ生成について色々お話してきました。今回は、勉強会での検証結果を発表したいと思います。
現在のNOCTASは初号機のためいくつかの改善点があり、それらを解消するための操作方法や本体の改善案に関して機械を製造しているチームへのフィードバックを行い、仕様をアップデートしました。
※既にNOCTASをご購入頂いているお客様へは、「NOCTAS撮影操作ファイルのバージョンアップ」を送らせていただきました。(2022/08/29現在)
<問題点>
NOCTASで撮影する際に当てる2種類のライト(表面の8方向から当てるライトと、9枚目の下方向からのライト(透過))の明るさが1種類しかないため、白い素材と黒い素材の撮影が上手くできない事がありました。
① 白い素材では光が強すぎて白飛びするため、ピントが合いにくくぼやけた画像になってしまう。
② 黒い素材では真黒の画像になりがちで、生地の凹凸がうっすらとしか画像に反映できない。
③ 薄手の素材では透過のライトが強すぎて真ん中と四隅では明るさが均等ではない。
<解決策>
①表面の明るさを、プラスマイナス3ずつ設定し全部で7種類の明るさを設定できるようにしました。
②③透過の明るさも表面の明るさ同様に、全部で7種類の明るさを設定できるようにしました。
表面と透過で別々に明るさ調整が出来るようになったため、様々な素材・色で適正な明るさでの撮影が可能になります。
これにより、撮影画像の調整が少なく済むのでマップの生成がより時短で正確に行えるようになりました。
<新しい活用方法>
その他に、糸のスキャン検証を行いました。
本来、ファブリックスキャナーNOCTASでは15㎝四方の布生地を撮影してマップを生成するというのが主な機能になりますが、糸のノーマルマップを作成してみました。
撮影、マップ生成共に可能ですが、このデータをそのままCLOに反映しても糸の情報なのでまっすぐな糸として反映されるのみです。他のソフトと連携して何かできる可能性は有ります。検証が必要ですが、例えば、特殊ステッチ(装飾)などのオリジナルデータを作ることも可能ではないかと思います。
まだまだ試していない組織の素材などもあるので、引き続き検証・実験して検証結果を共有していこうと思います。
こんな素材はスキャン可能か?など質問・ご要望あればお問合せ下さい。
生地提供を頂ければ検証させていただきます。
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