見出し画像

書いてる物語がなんか面白くないと感じたときに試してみること

プロットが面白くないと感じたとき、物語を改善するためのさまざまなノウハウやツール、フレームワークがあります。以下にいくつかの方法を紹介します。



1. テーマに対するアンチテーゼを設定する

テーマに対してアンチテーゼ(対立するテーマ)を設定することで、物語に深みと対立を加えます。これにより、物語のテーマがより際立ち、読者に考えさせる要素が増えます。

例:

  • テーマ: 恐怖にあらがう勇気

  • アンチテーゼ: 恐怖に身をすくめ震えるだけ

  • 実践: 勇気ある主人公が、恐怖に立ち向かう状況を描き、勇気の真の意味を探求する。

具体例:
『進撃の巨人』では、「自由」をテーマにしながら、敵対する巨人や壁内の社会が「束縛」と「恐怖」を象徴している。


2. キャラクターアークを明確にする

各キャラクターの成長や変化(キャラクターアーク)を明確にすることで、物語に動的な要素を追加します。キャラクターアークが明確であると、キャラクターの行動や選択に一貫性が生まれ、読者が感情移入しやすくなります。

例:

  • 開始: 内気なキャラクターが冒険に出る。

  • 中盤: 試練を通じて自信をつける。

  • 結末: 自分を信じ、大きな決断を下す。

具体例:
『千と千尋の神隠し』では、主人公の千尋が内気な少女から勇敢な人物へと成長する過程が描かれている。


3. 人物相関図を作成する

人物相関図を作成することで、キャラクター間の関係性や対立を視覚的に整理し、物語の複雑さや深みを増すことができます。

実践:

  • 中心: 主人公を配置。

  • 周囲: 敵対者、味方、中立者などのキャラクターを配置し、関係性を示す矢印を引く。対立構造や価値観の違いなどがわかるようにする。隠れた関係性などもここで図式化する。

具体例:
『ゲーム・オブ・スローンズ』では、多くのキャラクターが複雑に絡み合うため、人物相関図が非常に有効。


4. 対立と葛藤を増やす

物語の中で主人公が直面する対立や葛藤を増やすことで、緊張感や興味を引き出します。敵対者や障害を設定し、主人公がこれにどう対処するかを描くと、物語が活性化します。

実践:

  • 外的葛藤: 物理的な敵、自然の脅威など。

  • 内的葛藤: 主人公の内面の悩み、道徳的ジレンマなど。

具体例:
『ハリー・ポッター』シリーズでは、外的葛藤としてのヴォルデモートとの戦いと、内的葛藤としての自己発見と友情の問題が並行して描かれている。


5. キャラクターに隠された秘密を追加する

キャラクターに隠された秘密を追加することで、物語にサスペンスや驚きの要素を加えます。これにより、読者の興味を引き続けることができます。

実践:

  • 秘密: キャラクターの過去、隠された動機、二重生活など。

  • 展開: 物語の重要なポイントでこの秘密を明らかにし、衝撃や新たな展開を生む。

具体例:
『デスノート』では、ライトの二重生活(普通の高校生とキラとしての活動)が物語の緊張感を高めている。


6. 各キャラクターに「やりたいこと」「目的」「欲求」を設定する

各キャラクターに「やりたいこと」「目的」「欲求」がしっかりと設定されているかを確認し、それが主人公や他のキャラクターにどう影響を与えるかを考える。彼らが出会ったらどんな出来事が起こるかをシミュレーションする。

実践:

  • 設定: 各キャラクターの欲求や目標をリストアップする。

  • 影響: それが他のキャラクターにどう影響するかを考える。

  • シミュレーション: キャラクター同士の出会いによってどんな出来事が起こるかを描写する。

具体例:
『風の谷のナウシカ』では、ナウシカの平和を望む心が、敵対する国家やキャラクターたちとの対立や協力を生む。


7. フレームワークやツールの活用

プロット改善のためにさまざまなフレームワークやツールを活用することも効果的です。

  • 3幕構成: 導入、対立、解決の3つの部分に分けて物語を構築するフレームワーク。物語のバランスを保ちやすくなります。

  • ヒーローズ・ジャーニー: 主人公の冒険と成長を描くテンプレート。ジョゼフ・キャンベルの「千の顔を持つ英雄」に基づく。

  • Save the Cat: ブレイク・スナイダーのシナリオ作成法。ストーリービート(物語の重要なポイント)のチェックリストを提供。

具体例:
『スター・ウォーズ』は、ヒーローズ・ジャーニーの典型的な例で、ルーク・スカイウォーカーの成長と冒険を描いている。


結論

プロットが面白くないと感じたときには、さまざまなノウハウやツールを駆使して物語を改善することが可能です。キャラクターの欲求や目標を明確にし、テーマに対するアンチテーゼを設定し、キャラクターアークや対立・葛藤を強化することで、物語に深みと緊張感を加えることができます。また、人物相関図やストーリーキューブ、フィードバックの活用も効果的です。これらの方法を試すことで、プロットの面白さや深みを増し、読者の興味を引き続ける物語を作り上げることができるでしょう。

初心者に特にオススメな本

  • ブレイク・スナイダーの「Save the Cat!: The Last Book on Screenwriting You'll Ever Need」(「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」)

難解ながら必読本

  • シド・フィールドの「Screenplay: The Foundations of Screenwriting」(「映画を書くためにあなたがしなければならないこと」)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?