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健康診断の受診率を向上させるためには⑤〜受診勧奨者の限定〜

こんにちは!
札場(フダバ)と申します。
いつも記事を拝見いただき、ありがとうございます。

今回は、誰に受診勧奨を実施することが、より効率的な結果が出るのかを説明していきます。
前回までは、受診勧奨のメッセージ内容や意識するポイントなどを説明してきましたので、より効果的な受診勧奨の対象者は誰なのかを確認していきます。

それではどうぞ!!


より効果的な未受診者のターゲットとは

受診勧奨の施策をおこなっている施設様は多く存在すると思いますが、より効果的なターゲティングを実施し、受診勧奨をおこなっている施設様は少ない印象があります。

結論から申しますと、第1のターゲットは以下の層になります。

引用:ナッジ理論を活用した未受診対策 https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/ganseikatsu/files/20190830kensyu_07_tajima.pdf

上の図でもあるように、「受けたくないわけではない人(積極的に受けたいわけではない)」の層が、より効果的な未受診者のターゲットになります。

では、より詳しく内容を確認していきましょう。


未受診の理由

受診勧奨の効率を上げるために、まずは未受診者の理由を確認していきましょう。
以下の図を確認いただければと思います。

引用:健康診断の受診率を上げたい!未受診者への対応や企業ができる対策とは?
https://dr-hpm.co.jp/column/3975/

上の図より、「時間がとれない」や「必要性を強く感じていない」等の理由が多く認めています。言い換えると、先ほど述べた『受けたくないわけではない人(積極的に受けたいわけではない)』の層に当てはまるかと思います。

効果的な受診勧奨をするためには、『受けたくないわけではない人(積極的に受けたいわけではない)』の層に、いかに適切に受診勧奨ができるかが重要になります。


より効果的な受診勧奨の結果を導くためには

健診施設様が実施すべき層は、『拒否者』の説得ではなく、『あと一歩』の未受診者に対する推進が大切になります。

受診勧奨の優先順位

受診勧奨の選定ですが、受診履歴から確認することが大切になります。

優先順位 : 再勧奨を送れば受診する確率の高い方
優先順位 : 再勧奨を送らなくても受診する確率の高い方
優先順位 : 再勧奨を送っても受診する確率の低い方

優先順位が高い『再勧奨を送れば受診する確率の高い方』の層は、どのような特徴があるのでしょうか。

未受診者の中には、『不定期に受診している人(=不定期受診者)』、『全く受診したことのない人(=未経験 者)』がいます。全く受診したことのない人の行動を変えることは一般的に難易度が高いと考えられます。不定期に受診しているグループは、全く受診したことのないグループに比べて、勧奨を受けて受診行動をとる可能性が高いことが、 最新のデータ分析でわかってきています。この不定期受診者群に勧奨を実施することで、実施した年度だけでなく、翌年以降の受診率改善も期待できます

引用:ナッジ理論を活用した未受診対策 https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/ganseikatsu/files/20190830kensyu_07_tajima.pdf

上の図の優先順位が高い不定期受診層の再勧奨を送れば受診する確率は高くなります。

事例

過去の健診受診履歴を活用し 勧奨効果の高い順に勧奨を実施した事例になります。不定期受診者に対する勧奨で受診率は 24%アップしています。

八王子市では費用対効果の高い施策実施のために、過去の受診履歴データを分析し、もっとも効果的と予測されるグループの選定を行いました。大腸がん 検診の定期受診者、不定期受診 者、未受診者の3つのグループ毎に、クーポン送付の有無(勧奨)とその後の行動(勧奨によ る効果)を分析した結果、費用 対効果また勧奨による受診人数 の絶対増加数から、不定期受診 者への勧奨がもっとも効率がよく、勧奨による受診率は24% 増加し、該当人数は551人になりました。

引用:受診率向上施策ハンドブック
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/handbook_tanP_180113.pdf
引用:受診率向上施策ハンドブック
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/handbook_tanP_180113.pdf

具体的な受診勧奨の方法等は、以下の記事でまとめていますので、ご覧ください。


まとめ

今回は、誰に受診勧奨を実施することが、より効率的な結果が出るのかを説明してきました。

受診勧奨を実施する場合、より効果的な受診勧奨ができれば良いですよね。
より受診勧奨の効果が出やすい層にアプローチを実施することで、時間が節約でき、施設様の利益にも繋がるかと思いす。

今一度、適切な層に受診勧奨ができているか確認してみるのもいいのではないでしょうか?


弊社ALTURAは、受診率向上のサポートや、『健診システム』と『健診結果web参照PHRアプリ』の提供をしております。気になる施設様や担当者様はお気軽にご連絡ください。。

札場
Tel:06-6123-8162
Email:m.fudaba@altura.co.jp


参考資料・サイト
ナッジ理論を活用した未受診対策https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/ganseikatsu/files/20190830kensyu_07_tajima.pdf
⾏動科学やナッジ、ソーシャルマーケティングを活⽤した がん検診受診勧奨の取り組み
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000514745.pdf

受診率向上施策ハンドブック
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/handbook_tanP_180113.pdf

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