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私なりの思考術=お湯に流される

実家暮らしだろうが一人暮らしだろうが、家の中にどれほどの人がいようがいまいが、それは関係ない。
部屋のなか一人でいるよりも、カフェで心地よい音楽を聴くよりも、友人や尊敬できる人たちとおしゃべりしている時よりも。

私にとって、お風呂場はもっとも思考を働かせられる唯一の場所だ。

とはいえ、そこで手を止めている瞬間はほとんどない。
冷たい身体をシャワーで軽くあたためて、お気に入りのシャンプーを使って髪を泡立てていく。気持ちよさは特に感じないけれど「ほぐすのがいい」というどこかで見たような情報を頼りに頭をマッサージする。そして大量の泡を流し、トリートメントを手に取り、頭皮につかないよう髪だけを揉み込む。ぬるぬるさを不快に感じながらもキッチリ洗い流し、今度は特にこだわりもなく買った市販のボディソープで身体を泡だらけにしていく。それをまた洗い流せば次はいちばん気合いの入る洗顔で、時々スペシャルケアとしてパックやスクラブを使って自分を気遣ってあげる。

こうして書いてみると本当に忙しなく動いているはずなのだが、それでもいちばん言葉や考えがブワァッ!と溢れてくるのが、このときなのだ。

逆に、このルーティーンこそが良いのかもしれない。
考えずともできる流れ作業、あたたかいお湯でリラックス状態の身体、シャワーの音のみで遮られる雑音、自宅のお風呂場ならば邪魔する者もいない。私にとっては最高の条件だ。


しかしながら、ひとつだけ欠点がある。
せっかくの思考を、したためられないということだ。

脱衣所に出た瞬間「なんだったっけ?」となるポンコツ具合は、これまで何度も披露している(誰も目撃してはいないけれど)。

何か良い方法を知っている方がいれば、ぜひ教えていただきたい……。
紙のメモなど論外だし、多少の防水性があるとはいえ水や各種薬品がせめぎあう場所にiPhoneは心許ない。やはりホワイトボードしかないのだろうか。掛ける場所なんてないんだけれども。

そうは言っても、実はこれまで真剣に方法を探したことはなく、ちょっと検索すれば意外といろんな商品や方法が見つかるのだろうと思う。
脱衣所に出て、素っ裸のまま濡れた手だけ拭いて、スタンバイさせていたiPhoneをタップするなんてマヌケな真似はしなくてよくなるのかも。


そうして生まれた言葉や思考、表現が、ここで日の目を見ることになったなら。

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