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#210_何かを手に入れるには時間が必要であることを体得する仕掛け

最近、あるベンチャーとの仕事で、法律だけでなくサービスの仕組みについてもいろいろ考え、会社のヒトとディスカッションしているのですが、その中で、「今の世の中は、誰でもみんな、とにかくすぐ結果を求めたがる。そうではなく、結果を出すには時間がかかることを自然と学べる仕掛けがないものか」というような話が出ました。

その話を持ち出したのは、だいぶ若い人なのですが、その発想はとても素晴らしく本質を突いていると思います。

まず、自戒を込めてですが、私たちは何かすればすぐにその結果が出ると思い込んでおり、その裏返しとして、「何かしてもすぐに結果が出ないと、すぐ諦めてそれを止めてしまう」という傾向があるように思います。

でも、振り返って考えてみれば、そういうものではありませんね。何か少しでも結果が出たものがあるとすれば、それは、ほんとうに長い時間がかかっています。思いがけず何か手に入ったとしても、よく見ればそれは、それよりもだいぶ前の自分の選択や努力に起因しているものです。

こうしてみると、何かを手に入れるためには、「時間が経つこと」が絶対的に必要だと思います。

次に、そのことを頭だけで理解しても続きません。そのことを自分の無意識に働きかけて、身体で理解させる仕組みがとても重要になります。

その一つの例が、農業なのだと思います。米も野菜も、田や畑で作らなければ手に入りませんが、そのためには、時間が経ち季節が巡ることがどうしても必要です。今日種を植えて明日手に入るというものではありません。自分の行為の結果が出るためには、少なくとも数か月のスパンの時間が必要となる。この点を身体で理解する仕掛けとして、とても面白いと思います。

そして翻って思うことは、そのような農業に従事している人が人口に占める割合がほとんどだった時代と今とで、どれだけ人のマインド、価値観が異なるか、ということです。想像もできないほどの断絶があって、実は、私たちは、昔のことなど何も理解できていないのかもしれません。

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