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ネタバレなし「スキャナー・ダークリー」映画感想

もう終わってしまうのか?!と残念に思ったほど。個人的にはいつまでも観ていたい。

実写の上からモーションキャプチャのように絵を乗せて、アメコミのように輪郭線が濃い黒で描かれている(ロトスコープと言う手法だそうだ)。
アニメーションを1分作るのに350時間ほどかかると言う。30人のアニメーターで15ヶ月!ひょえーーー。
監督はリチャード・リンクレイター。

ストーリーは「ブレードランナー」や「マイノリティ・リポート」の原作を手がけたフィリップ・K・ディックの作品。
麻薬が人間を静かに死に追いやるまでの、非常に暗く根深いテーマを土台にしている。
その分トリップした笑いとのバランスが絶妙である。

音楽も良き。
SFではあるが、現実に限りなく近い近未来を描いていて、非常に低い温度を感じる。

個人的には、ロリーコクレーンという、冒頭から登場する役者の演技が大好きだった!!初めて彼の演技を観たが、ほんと良い!
そしてキアヌ・リーブス、ロバートダウニーJr、ウィノナ・ライダー等の豪華キャスト。

1度観ただけでは勿体ないので、もう一度観たい。
添付した画像は映画内の物そのものなので、未鑑賞の方は、この画がそのままヌメヌメ人間として動くと想像して頂けると面白いと思う。
背景もアニメだし、幻覚もアニメ。
素性の知れぬスーツに身を隠し、主人公が見ている世界もまた曖昧模糊な世界に…。

気づくと我々視聴者までも、そのマーブル状の流れに逆らえず、惹き込まれてゆく。

さて、現実との境界線は?
主人公の脳内で起こる、「それ」の境目は?

非常に見応えのある秀作。