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(ネタバレ注意)「マイ・インターン」感想

デ・ニーロの、年期の入った奥深い演技が光る。
そしてアン・ハサウェイの美しいこと。釘付け!

シンプルに。
キャリアウーマンの女性が、シニアの男性と職場で出会うことで、本来は教える側の男性から教わり、人生への見方も変わってゆく…といったストーリーとも言えるが。

この映画は、なんだかもっともっと大きな、男女も年代も超えた、人間同士の美しさを描いているように思う。

主役は2人だが、特に、デ・ニーロ。
人生経験とキャリアを持ちながらもプライドにしがみつくこと無く、チャレンジし続ける姿勢を貫く存在に、私は強く心を惹かれた。
彼の人柄に惹かれて、周囲の人々がみな集まってくるのである。

アメリカ版山本周五郎的な人情ものである。
とか思ってみたり。

ここからネタバレ。

私が一番涙が出たのは、彼が「このフロアの窓際の席で仕事をしていた」と打ち明けるシーン。
彼女もテンションが上がり、彼への尊敬の思いが2人を繋げる。
そこには40年の時を超え、あたかもタイムスリップして手を取りあったかのような、2人の間に仕事を愛する者同士の絆が生まれる瞬間。
アン・ハサウェイのこの時の、「感激」と「尊敬」の入り交じった涙目の演技が素晴らしい。

そして。
「ハンカチは貸すものだ」
という紳士の自論。
なんてカッコイイんだ。
そういうことですよ。

この映画の好きなところは、ジョークもふんだんに盛り込まれていて、テンポも良いところだ。
辛気臭くなく、説教臭くもない。
ただただ、前向きで一生懸命な2人を追っていく物語は、思わず前のめりになって応援してしまうし、気づけば笑ったり泣いたりしてしまう。

そんな、王道であり、老若男女問わず楽しめて、感動できる一本であったと思う。