見出し画像

(ネタバレ注意)映画「ザ・プロム」感想!

Netflixの映画「ザ・プロム」
結論から言うと、素晴らしかった。
感動で目を腫らし、泣き笑いしながらエンドロールを見つめた。

何がそんなに素晴らしかったのか。

この作品のテーマ自体がLGBTQなのだが、もし観る人が当てはまらないにしても、「自分の物語でもある」と感じる場面が多々あるところにあると思う。

私は特に、校長先生の気持ちに深く共感して、彼の歌から涙腺が崩壊した。
人生で辛いことがある時、私も映画や音楽に何度も助けられてきた。
そこにはいつも手を広げて待っていてくれる世界があった。

逆に、ミュージシャンやスターでなくとも、自分の存在が誰かの希望や救いになっているかもしれないということ。
それもまた見失いがちだ。
しっかりと向き合い、語り合えた2人だけが分かち合える時間がある。

それから、主役エマがマイノリティでありながら眩しく見えるのは、最初から最後まで変わらないものがあるからかな、と感じた。
それは、ただただ恋をしている表情。
そうだ。どんな心の性別であろうと、恋は変わらない気持ちのはずだ。
それがとても美しい。

そして。
誰かを心からサポートしたいとき、どうしたら良いのか。
本当に、その人の為になるってどういうこと?
そんな難しい問題にまで、この映画では歌とダンスと、セレブたちの気持ちの変化を描くことで触れてくる。
ジョークを混じえているので非常にすんなり入ってきて楽しい。

難しく考えずともミュージカル映画として楽しく観ることができるのは、なんと言ってもたくさんのミュージカル作品へのオマージュ。
歌詞の中で「レ・ミゼラブル」のことを「レ・ミゼ」と略していたのも驚いたし、他にも「ほら、ね?あの作品のあのことだよ!」とばかりにウィンクして監督が撮っている気がしてワクワクするシーンが散りばめられている。

コロナで沈みがちな気持ちも、このミュージカル映画のおかげで、「次の世代が抱いていく希望」を感じ取り、明るくなれた。
ラストは多幸感でいっぱいになる。
そして、今日仕事帰りにTSUTAYAに寄って「シカゴ」をレンタルした理由は…(笑)

ミュージカル愛に溢れたこの映画、観たらきっと、他のミュージカルをまた観たくなる。