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きらきらの先に/ふと気付いたらここにもオラファー・エリアソン

  初めてオラファー・エリアソンの作品に出会ったのは、「LIGHT テート美術館展」(国立新美術館2023.7.12~10.2)の一番最後の展示「星くずの素粒子」。

オラファー・エリアソン「星くずの素粒子」

  その時は、キラキラと夢のように美しい・・・と眺めて終わりました。「光/LIGHT」がテーマだけにそれだけで納得。元々、テート美術館展ということで、王道ターナーとかブレイクとか目当て。最後にエリアソンがあっても作品の印象は深かったものの、誰のものかも覚えておらず。でもこの展覧会は友人がチケットくれたこともあり、3回通った結果「星くずの素粒子」もココロにしっかり刻まれました。

  そして2023年12月31日、大晦日だったらいい加減空いているのではないか、と朝一番でお掃除終わらせて麻布台ヒルズへ。ここでは31日でもギャラリーオープンしていたので。それが「オラファー・エリアソン展」

  ここで初めて知ったわけです。この人の作品、実は環境問題も表現していたと・・・というか、冒頭のこのオレンジのキラキラ見て、「あれ、テート展の白いキラキラと似てるな」と思って帰宅後ファイリングチェックしたら同じ人だったのかーと初めて名前を意識。そして各作品の制作過程がいかに地球や太陽、自然運動と密接に繋がっているかを知ってびっくり。

太陽や砂漠でなんかやって焼き付けたりしてできた作品(らしい)
とにかく自然の力・・・でも綺麗なんです

  これまで環境問題を表現したものって、なんというか・・・単体で見て「きれい」と単純に感動することがなかったので。エリアソンのは、まず、作品が好き→地球の力で作品を制作してたのか→あ、環境について思いを馳せているのね・・・と逆順で知って良かった・・・押しつけがましくないところが良きかな、と。

振り子の自動運動で作品を作っているところ。数分で次のような作品に・・・
驚くほど綺麗な曲線図形。毎回全く違う図柄が完成する。
こんな図になることも・・・体験チケットもありますが予約一杯だった・・・

  一番感動したのが、ストロボの光で暗闇の中でストップアンドモーションで照らし出される水のインスタレーション。これは写真では感動が伝わらないと思いますが、一見の価値あり。素人写真では何が何だか?で残念。

「瞬間の家」
「瞬間の家」

  最後にロングインタビュービデオ(10分くらいかな)があって、そこでエリアソンの作品の意図が語られていました。いや、リーフレットにも書いてあったんですよ、「私たちを取り巻く世界との関わり方に疑問を投げかけ、再考を促す作品で知られ」とか「近年は気候変動などの社会的課題への積極的な取り組みで世界的に注目」って。いやいやいや、知らずに作品見て良かったー先に読んだら、ちょっと構えて見ちゃったかも。

  と、何だかエリアソンがココロのブームだったのですが、年が明けて1月3日に出掛けた東京都現代美術館(MOT)で、またエリアソンの作品に出会ってしまったという・・・静かに包囲されている?気になるな・・・

「クリティカルゾーンの記憶(ドイツーポーランドーロシアー中国ー日本)」

  これはCO2削減のために、作品を空路ではなく陸・海路で輸送した道中の振動や傾きに応じてペン先が紙上を動くドローイング・マシーンを設置して、2ヵ月の移動を記録。「移動」そのものが作品化されたもの。

アップで見るとこんな感じ

  他にも色々ありました。うーん、インスタレーションって画像だけでは良さが伝わらないな。年末年始でエリアソンに出会った記念(?)にと思ってまとめ紹介しましたが、こればっかりは見てもらわないとダメかもと自分にガッカリ。でも、何か時代的にエリアソンなんだなーという体験でした。

  悔しいので、お気に入り画像だけでも並べておこう。

「蛍の生物圏(マグマの流星)」@麻布台ヒルズギャラリー
くるくる回って上ったり下がったりして見えます@麻布台ヒルズギャラリー
@麻布台ヒルズギャラリー
麻布台ヒルズのオフィスロビーにパブリック・アートとして飾ってある
「相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」
「力と思いやりの領分(マインドマップ)」@MOTコレクション

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