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自分が得意だと思っていたことの解像度が少し上がった話

三瓶:最近凄く思うのは、個々人がすごく気になったりこだわってしまうポイントみたいなのって、すごくスキルに直結すると思うんですよね。「ついこだわってしまう」「つい気になってしまう」というのってめちゃくちゃアドバンテージだよな、と。

土屋:ああ。面白いですね。

三瓶:つまり「私はUIデザイナーになるぞ!」みたいな感じでめちゃくちゃ頑張ったとしても、実は自分の得意スキルそこじゃないかもしれない、という話なんですけど、でも一方で、ある程度突き詰めてやっていかないと向き不向きすらわからないので、まあ若いうちはやるしかないんですけど(笑)。

土屋:なるほどね。

三瓶:自分も、最近までUIデザイナーっぽい人だと思ってたし、何ならちょっと自負してたところもあるんです。それなりに年数やってきたし。

土屋:はいはい。

三瓶:だけど、急に何だかこう、UIデザイナーさんが盛り上がっている話を聞いててもピンとこなくなってきたタイミングがあって。もちろん、面白いんですけど、なんかすごい乗っかりたくなる感じじゃなくなってきたというか。

土屋:あ、そうか。何となくそこの界隈の人間ではないと感じ出したのはそういう所からだったんですね。

三瓶:何か皆さんの言ってる事がそこまで自分的にクリティカルじゃなくなってきたと思って、何でかなと考えてみたら、UIのビジュアル面よりも、そのUIのライティングやコピーのほうがはるかにこだわりが強かったんですよね。街中のデザインを見てても、まず先に「なんでこのキャッチ?」「この言葉じゃ伝わらない」みたいなところが小姑のように出てくるというか(笑)。

土屋:UXライティング的な話。

三瓶:そう。僕の場合は基本企画の人間でそこからデザインもやる、みたいな立場だったから、必然的にやってたんですけど。その一連の流れをざっくりデザインと捉えて、僕デザイン好きです、みたいな感じだったんですけど。

もちろんビジュアルデザインやスタイリングもこだわりはあるんですけど、ピクセルパーフェクトまでいかないというか。もうちょっと情報設計だとか、言葉や文章の論理性のような所に凄く問題意識を持ってるんだなと、30歳半ばでようやく気付いて。

一言で「デザイン」といっても、やはりいろんな捉え方があるよな、と再実感しました。

土屋:いや、素晴らしい。まあ、そうですよね。

私はそれで言うと、こだわりは構造そのものとかですね。情報設計という言葉も、結構捉え方が人それぞれだなと思ってて、情報構造を配慮して綺麗にラインを並べるとか、そういう所も含めて情報設計だとは思うんだけど。構造の対称性とか非対称性とか、そこへの意味とか。そういうところが気になっちゃう。

三瓶:ああ、そうですね。わかります。有り物を、並び替えるっていう話だけじゃなくて、いやそもそもこれいらないじゃんとか、そもそも本当はこういう物があった方が良いよねっていうもっと上の話をしたいから、多分企画屋だったんですよね。

土屋:なんかね、そこの整理が見えてくると半分、自分の仕事は終わったみたいな気になっちゃうぐらい、そこへのこだわりは強いんだなというのは気付きました。

というのも、日本で仕事してる時はそういうの求められなかったんですよね、実際。最初の頃、プレステとかやってる時も、日本国内の仕事の方が多くて、国内では何か決まった仕様を説明すれば全然オッケーだったんだけど、海外の人が来るともっとコンセプチュアルな話が聞きたいって言われるし、そういうロジックはないのかみたいなことをしょっちゅう言われて。それで必死で考えるようになって、考えれるようになったらそっちの方が面白くなっちゃった。

三瓶:ああ、確かに、英語圏の方が圧倒的にWhyって聞きやすいですし、めちゃくちゃ聞かれます。土屋さんはそういった現場でWhyにこだわることを鍛えられたんですね(笑)。

👥 話していた人
土屋:フライング・ペンギンズ CCO / UXイノベーター
三瓶:フライング・ペンギンズ 新規事業担当 / コンテンツストラテジスト
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フライング・ペンギンズでは答えのない問いやとりとめのない対話を積極的にしていくことが、デザインの質を高めると考えています。今後も社内外問わず、UXデザインや開発にまつわる話をざっくばらんにしていきたいと考えていますので、ご一緒いただける方いましたら是非ご一報ください
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