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全てのテストは不公正である

テストの点数によって、回答者のその後のパフォーマンスを推定するとする。ここに3つの不公正が存在する。

1)異なる属性を持つ者が、テストを受ける以前に、テストの点数を左右しかねない異なる介入を受けてきた可能性。
2)異なる属性を持つ者が、テストを受けてからパフォーマンスを測定されるまでの間に、パフォーマンスを左右しかねない異なる介入を受けてきた可能性。
3)テストの項目が、属性そのものを問うもののみであったり、そうでなくともごく限られた情報を入手しうるものでしか無かった場合。

(1)(2)は、「テストの項目」という概念を拡張すればすべて(3)に含まれる。つまり、不完全情報しか入手し得ないテストは、常に不公正である。そしてテストは常に不完全情報しか入手し得ないので、結局全てのテストは不公正である。

しかし我々の社会は様々な局面でテストを要求しなければ成り立たない。であるならば、我々がどうしても行わなければならないテストがいかなる不完全情報しか入手し得ないものであるかを的確に認識し、テストに基づいて意思決定を行うにあたって、それをどこまで許容するかについてコンセンサスを得ることが重要である。

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