気になる二人。

失礼ながら、特別に好きだとか、ファンだとかいうわけではないのに、ふと思い出されて、気になる存在がいます。何となく、忘れたくない気持ちなので、書き留めておこうと思います。

その気になる二人とは、松たか子さんとヒロシさん。私の中で、それぞれが過去も現在も印象深く存在しています。

松たか子さん。

個人的には、同い年で勝手に親近感を感じていますが、映画『四月物語』が忘れられません。物語は、北海道から東京へ大学進学で故郷を離れる主人公の日常を描いた作品でした。当時、映画館で観ました。静かで淡々とした作品でしが、松さんの醸し出す雰囲気が愛おしく思えて、新しい環境への不安や期待を抱く主人公に共感しました。年齢だけでなく共感する理由は、松さんの生き方が、自分と重なるから。父と同じ世界で働き、時には父と共に働くという生き方。来年、ミュージカル『ラ・マンチャの男』で父娘の共演が再び実現しますが、時を経てというところも本当に凄いことだと思います。性差について語るのはデリケートなことですが、あえて言えば、男に生まれたなら、父の跡を継ぐことが決定的だったけれど、女に生まれたからそうしたことからは距離を置けた…でも、父と同じ世界で生きているという現実。ここに、松さんの生きる力強さが感じられて。はじまりは勝手な親近感からでしたが、事あるごとに松さんの存在を思い出しては、「頑張ろう」と思う自分がいます。

ヒロシさん。

芸人としてのヒロシさんからは、いつも物寂しい感じがあって、面白いけれど何とも言えない印象を抱いていました。その物寂しさはどこから来るのかな、と思っていたところ、ソロキャンプを通じてヒロシさんの考え方を知り、気づかされることが多くありました。あるインタビュー記事で、「幸せと聞いて最初に浮かぶのはやっぱり“自由”って言葉ですね」と語られていました。自由を選ぶと、そこには必ず「ひとりで生きていく」とか、「自由には責任が伴う」とか自分自身と向き合う現実が突きつけられます。誰かと共に生きていても、自由は感じられるかもしれませんが、ヒロシさんの語る“自由”には、究極の自由が感じられて、私が求めている自由もこういう生き方なのかも、と思います。

二人とも、会ったことも話したこともないけれど、不思議な存在感を持つ方たちです。


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