小論文試験

プロフにも書いたように、文章の校正をすることが時折あることから、入試や就活の小論文を添削することもあります。

まず感じるのは、人がいろいろ考えて全力で書いた文章を読ませてもらうのはとても楽しい。伝えたいことをきちんと書こうとしている真剣な文章は、文の巧い下手に関係なく非常に魅力的な文章です。書く側が思う以上に、文章にはその人柄が表れます。広い知識と深い考察を求めているか、前向きにものごとに取り組めているか、日々の生活で感じたことを大切にできているか、よく知りもしないことを分かった気になっていないか、きれいごとを口先だけで言っていないかetc.その人の書いた文章には、そういったものがにじみ出るように感じます。読み進めて「そう来たか!」「なるほどな!」と勉強になることも多々あります。だから読む側のこちらも姿勢を正し、どうすればもっと伝わりやすい文になるのか、スムーズな流れになるのか、「突っ込まれない」文になるのか、そういったアドバイスを何とか絞りだそうと本気になります。

こうして小論文を読み重ねることで、自分なりに小論文試験の目的も考えてきました。それは、小論文でその人の常識力とでも言うようなものを測ろうとすることです。自分は常識で括られることを毛嫌いし、「じゃあお前の言う常識って何だよ!」と食って掛かる面倒なタイプの人間ですが、大学や企業が最低限の常識を求めるのは至極当然だと思います。その上で、言葉遣いや文のつながりなどの常識に沿った文が書けない人は、論理的な考えも期待しにくく、大学や企業の求める最低限の常識を持った人とは考えにくい。

だから小論文は自分の常識を判断される試験だと個人的に考えています。といっても、特に身構えるほど恐ろしいものではなく、思ったことを素直に書く小論文が一番です。思ってもいないことをくどくど書いても、そんな文章はいつか破綻してしまいます。

また、どこかで聞いた言葉を無理やりつないだような文章もNG。下手に飾らず、自分の言葉で論理的に自分の考えを伝えられているか。それが受かる小論文と落ちる小論文の分かれ目だと考えます。

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