バイリンガルになるか、するか。 其の9
語彙力と表現力は、表裏一体とも言えるので、ここでの語彙力は表現力も含めます。
一般的に、語彙と表現力があると、
相手の言っていることが分かる
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相手の言葉を使って自分の考えをわかってもらえる
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自尊心、自信が高まる
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知的好奇心が高まる⇨教養が身につく
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自分で理解しようとする⇨物事の理解が深まる
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自分の言葉で表現しようとする
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相手にわかってもらえる
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自尊心・自信が高まる
という良い循環が生まれます。
これは、大人も子供もさして違いはないとは思います。大抵の場合、母国語で話すほうが自信満々で話しますし、外国語だと、バックグラウンド(コメディーやジョークをわかるほどの歴史、状況)を知らないと、やはり語彙力がないと、相手の言っている内容も、ニュアンスも理解しきれないのです。
というわけで、子供にも大人にもその精神年齢に応じた語彙力が必要となりますが、外国語の語彙をどう増やすか?というのが大きな問題です。
母国語がすでに出来上がっている大人の場合、自分が言いたい表現、語彙を調べてマスターすればよいのですが、子供の場合、母国語レベルが低いため、外国語の語彙を伸ばすにも、学習言語が外国語でない限り、かんたんに天井にぶつかりますし、親もそれには気づきません。
というのも、家庭で必要な語彙は、実はとても少ないからです。500語もあれば、日常の家庭生活を、ほぼ問題なく過ごせる位ではないでしょうか?
大人が1日に使う言葉の数、知っていますか?
これは、聴覚障害のお子さんを持つ、難聴児育児についてのことについて書いているものですが、ある意味、海外での子供のバイリンガル化に当てはまることが多いと思います。また、自分が外国語を自国でマスターする場合も、聞くこと、使うことをいかに増やすかが大事ですから、関係があると思います。
というのも、まず、特に年齢が上がり、義務教育が始まると、大抵の場合、子供に学ばせたい日本語の伸びが止まったと気づくのです。
実はその前から止まっているのですが、親は気づきません。それは、日常生活が日本語で問題なく進むからです。よくあるパターンですが、
「うちの子は日本語を聞いたら理解できるんだけど、返事は日本語ではない。」
という状況。これは、まず間違いなく日本語の語彙が使えるものになってい`ないことが多い、つまり、語彙力がストップしている証です。聞けばわかる、ではなく、親の雰囲気と状況から感づいている場合が多いのです…。
また、日本語の会話に外国語の単語が入る、というのは、時折それを日本語で何というのか知っているかどうか、を確認する必要があります。知らない場合は、語彙力の問題、知っている場合は、使い慣れていないから、スムーズに出ないから、ということになります。
学習言語が多くなる、つまり、現地語のレベルが上がるにつれて、日本語ではどういうか、日本語でそのトピックを話したり見たり聞いたりすると、日本語の語彙力が上がります。例文を使って、どういうときにそういう表現や語彙を使うか、を練り込んでいくことが大事となります。
これをするにも、親自身の現地語の能力と、学校で教えられているトピックについて学んで、現地語と日本語のすり合わせができるようにすることが大事となります。
このいいところは、
親は、子供から現地語の語彙力、表現力を学べ、
子は、親から日本語の語彙力、表現力を学べる。
ので、会話が弾むのです。会話が弾むところに語彙力が伸びる、マスターする土壌があることが多いのです。
難聴者が健聴者以上に語彙を増やす方法!
ここの差が付く理由は主に3つある!にもあるように、語彙に差がつく理由としては、健常者に書き換えれば、
①子供のおかれている環境
要は、どれだけ日本語にふれる機会があるか。
補習校を利用するか、オンラインを利用するか、第三者の利用をしているか。
幼児期、低学年期は、親の言うことを聞いても、小学校も高学年ともなると、親のアドバイスを聞くことをしたくなくなります。ですので、やはり、小学校低学年の間に、「第三者」を入れて学ぶという姿勢も整えて置くと、高学年になってからでも、続ける意欲がでます。グループ指導だと、友人関係から続ける意欲もでるものです。
②ご両親の教育方法
同じ。
③★重要★学習言語の土台をしっかりと作れているか
これが、例え健常者でも、大事です。語彙が増えれば本が読めます。少しむずかしいものにチャレンジするのを、陰ながら手伝う(関連する番組を日本語で見せる、それについて話す等)ことをすれば、更に語彙を伸ばして行けるようになるものです。
やはり、読み聞かせ、親の使う語彙、会話を増やしてこそ、子供は、話を聞いたり、本を読んで語彙を増やすという状況にできる土台を築けるわけです。
次は、具体的な語彙の増やし方を、年齢に合わせて考えて実践しているものを書いて行こうと思います。
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