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イギリス 中学受験を考えはじめた理由 其の6 (最終)

静かなクリスマス、お正月、そして、ライブ授業はないが、本格的リモートスクーリングで、すっかり、集中して学ぶ喜びを覚えた子供、自宅勤務を子供がいても割と集中してできる環境に馴染んだ親達。

それでも、学校に戻れるのは、親子共々喜んでいました。

やはり、学校は大事です。特に、イギリスでは、子供は通常6年になるまで一人で学校に行くことはほぼなく、親なしで、一人もしくは友人達と出かけることはありませんから、学校という環境がないと、成長の妨げとなりうると、私達は考えています。

ですので、ある意味、子供の友人関係は、小学校時代は、親同士の相性が大きく影響します。子供同士が仲が良くても、親同士が仲良くないと、プレイデートといって、お互いの家に子供の友達を呼んで遊ばせる、ということも、親がお互いに連絡取り合ってプランすることになります。

学校に戻ってから、子供の表情は、思いの外暗かったのです。学校は大好きな子で、戻るのを楽しみにしていたのに、なんでかな、と話を聞くと、

・給食がまずい、少ない。
・先生がチャンレジな問題をくれない。
・クラスがうるさい。

と言っていました。改善できるところはしました。

お弁当の日を作り、給食の日は、10時半ころに食べるおやつを、重いものにしてみて、

先生たちもまずは、生徒みんなが学校で楽しく過ごせるように、ゆるい感じでしょうし、皆の学業のレベル確認もしなければならないから、やること多いでしょうし、また、子どもたちは、久しぶりに友人達に会えて嬉しいだろうから、しばらくは様子見てあげよう、という話をして、毎日なんとか学校に行かせていました。

しかも、こちらの学校、算数で早くやることが終わると、自分の好きな本が読めるのです。図書館の本は貸し出し禁止状態ですので、各クラスにある本を読むのが普通ですが、うちの子には、自分が読みたい本をもたせていました。本当は、私物は持ち込むな、という方針があるのですが、目をつぶってくれたんだと思います。

ですが、学校に行きたくない、という感情が日々強くなります。

そうこうするうちに面談もあり、先生は、子供の学校に行きたくない、という感情には気づいておらず、通常通り、褒められました。

数日後、子供が英語の先生に指導を受けたようです。先生が言っている方向で、物事をすすめなかったからのようです。何分、子供は、できる子扱いですから、先生も少し先を見て、上を目指させているのでしょう、少し厳しく言っただけのようです。

要は、物語、説明文を書く、という課題は、毎週のようにあるようですが、それには、3段階を追って3日で勧めて行くようです。

1.状況設定とそれに基づくボキャブラリーや文法、書く手法。
2.あらすじをメモ、内容のプラン(始まり、中、終わり)
3.あらすじをもとに、物語、説明文を書く。

が、うちの子供は、書きたいことが多く、詳細にもこだわるので、一時間では、自分が書きたい物語などは終わらせられないために、2日目のあらすじを書く、を物語を書くに変えたようで、先生に指導を受けたようです。

それがまた、子供の勘に触ったのでしょう、更に行きたくなくなり、自分は、

「授業をきちんときいて、静かにしていて、更に話のあらすじも書くまでもなくできていて、書き上げるのに時間がかかるから、先に話を書き始めたのに、何が悪いんだ。」

先生に対してマイナスの感情が生まれた模様でした。

帰りのピックアップの際、夕食の時、朝起きてから、文句、文句、文句。

「自分は、家で勉強したほうが、よっぽどできる。算数の問題なんて簡単なのしかでないし、早く終わって本を読もうとしても、周りがうるさいし、邪魔してくるから、読めないし、耳が痛いくらいうるさいし、もう行きたくない。行く意味がない。」

となりました。

学校に行く理由を説明しました。

・家庭でできない勉強がある。
・団体行動を学ぶ。
・色々な感性の人達がいることを学び、それぞれの応対の仕方を学ぶ。
・限られた状況の中で、自分の居場所を見つける、作る能力をつける。

頭では本人も理解できたのですが、また、何かあったのか、帰りのお迎えに行った際に、大泣きされました。色々あったようで、まずは話を聞きました。

・学校で、先生と問題があった。
・子供たちがうるさい。
・自分は、わかっていても先生の話を聞くのに、一番わかっていない子達がおしゃべりしていてうるさい。
・・・

先生との問題は、直接先生にメールして、事実関係を確認、翌日速やかに対応していただきました。子供たちがうるさいということも、先生に状況を確認したら、ちょっと甘やかし過ぎたから、厳しく行くということでした。

3番めのポイントは、褒めました。
授業中でもなんでも、先生の話を聞かない子は、できないっていうこの世界共通のよくある状況。よく気づいたなと思いました。そこで、やっぱり先生の話を聞くのは大事だね。と持っていきました。

学校に行かなかったら、その大事な話が聞けない。

また、先生に対する文句については、実際の事情は、子供側は聞いていても、先生側の話はほぼ聞けておらず、他の生徒側の話も、ほんの少しの子供たち分しか聞けていないので、まずは、子供は見る範囲、感じる範囲が狭いので、本人同士で解決するのが一番と思われました。

そして、このロックダウンで得意になった分数を使って、

・今まで先生の授業を受けたのは何日か
・否定された気分になったのは、そのうち何日か

を出させ、分数にし、更には、パーセントについても理解を深めていたので、98%は、楽しく過ごせたことがわかり、今回のことについては、意図的でも意図的じゃなくても、失敗しても、チャンスをあげてもう一回やること、そこから学ぶことの重大さと大切さを、経験から知っていたので、学校にもチャンスを上げることになり、翌日も学校に行ってくれました。

翌日は、先生から、個人的に子供にアプローチしてくれ、子供の誤解を解いてくれた上に、状況の改善をしてくれました。

それでも、やはり、子供たちはうるさいらしく、しばらくは文句を言っていましたが、ある意味、先生たちの素早い対応には、感謝しているらしく、自分も大事にしてもらっている感がでて、学校を、さして嫌がらずに行くようになりました。

しかしながら、今回の件で、自分の子供は、

学びたい

という気持ちが、他の生徒より強いような気がしました。

ロックダウン中にも、よくできる生徒さんの親御さんに、学校の課題に、どれだけ時間をかけているか、を聞くと、最小限の時間と努力しか費やしていない、聞いていました。が、私達の子供は、英語、サイエンス、美術、トピック(社会のようなもの)の課題に、軽く3-7時間費やしていました。それプラス、算数に1時間と、習い事の練習、読書にも、数時間費やしていました。

おかげで、私達は仕事に集中できてよかったのですが、やりたいことをやりたいだけ時間を掛けられる喜びを失ったことも、今回のいざこざの原因でした。さらに、一人っ子なので、誰にも邪魔をされることがなかったのです。静けさと集中、没頭する喜びを存分に味わったロックダウンだったんです。

というわけで、それなら、選抜式だったら、生徒の学びたい意欲が強い子が集まるのではないか、ということで受験を決めたのです。

ロックダウンのおかげで、自宅で勉強する習慣がつきました。学校に通っている今でも、市販の問題集を使って日々勉強をするのが、苦ではないようです。

今後は、受験するにあたって、家庭教師、塾、Online塾、DIY(自宅学習)どれにしていくか、Year 5に向かって検討することになります。その検討についても、また書いて行きたいと思います。

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