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生命表象学

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細分化された科学領域を、生命とその表現形態から包括する新しい学問のための試論
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2018年11月の記事一覧

生命表象学における景観について

 極小のスケールである原子から極大のスケールである宇宙まで全ての物事は連続的に関係付いている。ランドスケープというのはその連続するスケールの中から、日常的に目にする中間スケールの範囲を取り出した眺めのことであり、それを通常我々は「景観」と呼んでいる。  しかし主にこの150年間に飛躍的に進歩した現代のテクノロジーはその眺めのスケールを変えることを可能にし、視覚的な範囲を大幅に拡張した。その結果あらゆるものは「観」られる対象である「景」へと変わったと言える。景観の「観」を指すス