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約4倍の売上増を実現。老舗アパレルメーカー アツギ株式会社におけるEC事業立ち上げ支援の裏側

FLUXは「日本経済に流れを」をミッションに掲げ、テクノロジーと専門人材の力で様々な領域のオペレーション効率を高めるサービスを複数提供しているスタートアップです。その中で企業の事業推進を伴走型で支援するサービスが「FLUX Insight」です。

FLUX InsightはBusiness・Technology・Recruitmentの3つの領域で支援を行っており、戦略設計のみならず、戦略実行にまで踏み込み、成果にコミットした支援を提供しているほか、効率的に支援を行うための自社プロダクト開発も行っています。

FLUX Insightでは海老名に本社を置き、ストッキングやタイツ、インナーウェア等の製造・販売を手掛ける老舗アパレルメーカー・アツギ株式会社のEC事業を支援しています。

同社ではこれまで積極的にEC事業に注力されていなかったものの、様々な外部環境の変化に対応すべく、EC事業の垂直立ち上げが必至に。そうした中、ノウハウやリソース不足といった課題感から、FLUXにご相談いただきました。

「ここまで一緒に汗をかいて伴走してくれるパートナーと出会ったのは初めて」そう語るのは、同社にて取締役を務める中村 智様です。

そこで今回は中村様、そして本プロジェクトを担当した執行役員の酒井 芳樹、プロジェクトリーダーの小畑 浩章を交え、どのような課題感から今回のプロジェクトに至ったのか、またFLUXの伴走支援の内容や成果についてお話いただきました。

FLUXはただ戦略を描くだけではなく、成果にコミットして動いていく真の伴走型パートナーだと感じた

小畑:このたびFLUXでは貴社のEC事業を伴走支援させていただきましたが、あらためて今回の取り組みに至った背景として、どのような課題感を持たれていたのか教えていただけますか?

中村様:衣料品市場はこの30年間に、ユニクロやZARAなどを代表とするSPA(製造小売業)専門店チェーンの台頭や若年層の百貨店離れ、そして消費の多様化など様々な変化がありました。そうした変化の中でも特に影響が大きかったのが量販店の減少です。これまで当社の商材は量販店が主な販路であったのですが、量販店自体が減少していき、売上の低迷に直面してきました。

そしてコロナ禍で人流が減り、そもそも当社の主力商品であるストッキングを履く機会が減ってしまうなど、ライフスタイルの変化が起こります。さらに、円安による仕入原価の高騰、利益率の低下など、様々な外部環境の変化に直面し、ビジネスモデル自体の変革が求められていたということが根本的な課題としてありました。

そこで、これまで事業自体はあったものの、会社として注力してこなかったEC事業の垂直立ち上げを進めるべく、FLUXとの取り組み以前は別のコンサルティングファームに参画してもらい、戦略設計を進めてきました。

アツギ株式会社 取締役 中村 智様

小畑:すでに別のコンサルティングファームとのお取り組みがあったとのことですが、そこからFLUXにご相談いただいた理由は何だったのでしょうか?

中村様:以前依頼していたコンサルティングファームは、市場調査やユーザーインタビューなどを行い、潜在的、具体的なニーズを洗い出して、そこからどう事業を展開していくべきかといった戦略にまとめていただきました。

その戦略自体はとても素晴らしい内容で、さすがだなと思う一方、その戦略を実行していくためのノウハウやリソースが社内にはなく、実現性の乏しい戦略だったんですね。当時のEC事業はパート社員含めて10名にも満たない組織でしたから、どれだけ素晴らしい戦略であっても、実行できる体制がない。そうしたときに出会ったのが、FLUXでした。

実は当初は「FLUXなんて会社聞いたことない」「本当にFLUXに任せて大丈夫なのか」といった疑問の声が社内から上がっていました。しかし、FLUXは当社の事情を汲み取り、難易度が高いことも踏まえた上で、「必ず出来ます。一緒にEC事業を成功させましょう」と言っていただきました。

そこでまずはトライアルのような形で依頼させていただきましたが、FLUXはただ戦略を描くだけではありませんでした。たとえば初日の出来事ですが、小畑さんは事前に当社の商品を実際に購入してくださり、その上でどういった点が問題なのか、具体的にどのように改善していくべきかといった目標達成までの道筋を提示していただきました。

伴走型支援を謳うコンサルティングファームは多くあると思いますが、中には一緒にディスカッションするだけのことを「伴走支援」と表しているところも多いと思います。FLUXは私たちに寄り添い、一緒に成果にコミットして動いていく真の伴走型パートナーだと感じ、正式に依頼をさせていただきました。

高い目標に対して諦めかけていた現場。海老名オフィス常駐で愚直に行動を積み上げた結果、2ヶ月で売上倍増を実現

小畑:当初ご相談いただいた際に伺った事業計画は非常に高い目標を掲げており、決して簡単に達成できる水準ではありませんでした。一般的なコンサルティングファームであれば、目標を下方修正してもおかしくはなかったでしょう。ただ、私たちはアツギさんが持つブランド力や商品力を考えると、決して達成できない目標ではないと感じました。

高い目標に対して、できない理由を挙げることは簡単です。しかし中村さんからも、「この目標は努力目標ではなく、必達目標である」とお話されていたため、双方が高い熱量で取り組めば達成できるに違いないと思っていましたし、何よりも日本を代表するアパレルメーカーであるアツギさんの社内変革プロジェクトの主体者になれることにワクワクしていました。

FLUX 小畑 浩章

中村様:FLUXが参画する以前は、これまでの売上から約4倍の目標を追っていたものの、未達が続き、現場には諦めの空気感が漂っていました。しかし、FLUXは「達成できます」と言い続けてくれ、私自身はその言葉が非常に励みになっていました。

おっしゃる通り、できない理由を挙げるのは簡単ですし、実際に無理なのではと思うこともあります。到底達成できそうもない目標を目の前にしたら、「本当にできるのだろうか」と誰しもが思うわけです。

しかし、「できるだろうか」から「できそう」、そして「できるんだ」とマインドが変わっていくためには、小さな成功体験を積み上げていくことが大切で、小畑さんがわざわざ海老名のオフィスに常駐してくださり、行動で示してくださったことが本当によかったと感じています。

小畑:これだけ世の中に情報が溢れていても、一発逆転の魔法のような施策はありません。施策を実行し、結果を振り返ってブラッシュアップし、再度実施するということを愚直に積み上げていくことが重要です。そのためコミュニケーションにおいても、主語を「目標達成」として、目標達成のために何が必要なのかをみなさんと議論しながら進めさせていただきました。

私は体験したことからしか商品の魅力は語れないと思い、毎日アツギの服を来て出社し、その都度感じたことから商品の訴求を変え、クリック率やCVRがどう変化していくかという検証を約1,000SKUある商材に対して進めていきました。

また、データやテクノロジーを活用する事でより精度とスピードを上げる事も行ってきました。例えば広告運用においても、これまで活用できていなかった約10万人のユーザーデータを元にターゲティングを行ったり、手付かずだった商品画像の作成も、AIを活用して自動生成を行い、イメージを訴求したい商品に対して画像を入れていきました。

そうしたアクションを続けていった結果、2ヶ月で売上は2倍へと伸びていき、現場も「これならいける」といった前向きな雰囲気へと変わっていったのを覚えています。取り組み以前は下方修正すべきだと話していたアツギ側のプロジェクトリーダーの方も、「この計画を諦めたくない」と語られていて、ポジティブなマインド変化が生まれていることを強く感じました。

中村様:やはりいくら言葉で伝えても、心には響きません。しかし、小畑さんの行動によって本気度がリーダーに伝搬し、いまはメンバーらもECの売上を伸ばすことに一生懸命になれているのを感じています。まだまだ道半ばではあるものの、自部署の本気度が高まれば、他の連携部署にも連携していくでしょうから、目標達成に向けてより良い動きができていくだろうと私自身とてもワクワクしています。

「ここまで一緒に汗をかいて伴走するパートナーは初めて」国内に限らず、より世界で価値提供できる状態を目指して

小畑:お取り組み当初は、現場のみなさんのコミュニケーションを伺っていると、「物流が〜」「ブランド戦略が〜」といった内向きの話題が多かったように思います。しかし、いまでは、「顧客が〜」「競合が〜」「季節が〜」など外向きの話題が増えていったことも変化のひとつだと感じています。あらためてプロジェクトを振り返っていかがですか?

中村様:これまでも様々なコンサルタントの方にお会いしてきましたが、ここまで一緒に汗をかいて伴走してくれるパートナーと出会ったのは初めてです。たとえば小畑さんは展示会には必ず参加してくださったり、アツギだけでなく競合他社の商品を実際に購入して比較してみたりと、「ここまでやるのか」と驚かされまして、これこそがコンサルティングではく、伴走型支援なのかと感じました。

また、伴走型支援の場合は企業の中にまで踏み込んでいくため、いかにハレーションを起こさずにDX等の改革を進めるかが大切です。しかし、小畑さんのそうした我々に寄り添った行動の結果、プロジェクトリーダー含め現場のメンバーはFLUXに絶対的な信頼を置いています。

そして伴走支援のおかげで、各施策のクオリティも格段に上がっており、各チャネルの売上が4倍以上の成長を実現しているというのは、この取り組みの大きな成果です。

また、いままでの卸売業と違いECは小売業です。これまでEC事業は売上の数%程度で、関係部署ともなかなか協力体制を築きづらかったのですが、売上が伸びていったことで、少しずつ関係部署との連携も強化されており、小売業としての機能が整っていったことも成果のひとつだと捉えています。

酒井:今回私たちは御社のEC事業を支援させていただいていますが、私たちの支援範囲というのはECだけに捉えていません。アツギという企業が日本でもっと輝いていくために、まずはECで成果を出し、その結果アツギ全社でのDXが加速し、日本国内にとどまらず、より世界で価値を提供していける状態をつくっていきたいと考えています。

そのため、まずは目下のミッションとしてEC事業を支援させていきながら、御社の成長に寄与させていただければと思っていますし、私たちとしても貴重なチャレンジをご一緒させていただき、とても嬉しく思っています。

FLUX 酒井 芳樹

酒井:今回小畑が現場での伴走支援をご一緒させていただきましたが、そうした現場へと踏み込み、テクノロジーも活用しながら成果にコミットする伴走支援というのはFLUXの文化でもあります。

FLUX自身がこれまで自社の複数事業の立ち上げ・成長を経験してきたのと同じで、常にやると決めたらやり抜く、そして限られたリソースの中で何を優先すべきか、何をすれば成果に繋がるのかを考え、常に実行して検証して仮説をブラッシュアップするということをFLUXは繰り返してきました。

引き続き目標達成に向けて、まだまだ取り組むべき点は多くあるため、共にチャレンジさせていただければと思っています。

小畑:最後に、今回の取り組みを経て弊社への期待や展望をお聞かせください。

中村様:これまでEC事業は社内の花形ポジションではなく、現場のモチベーションも決して高いと言える状況ではありませんでした。しかし、今回ご支援いただいたおかげで、現場メンバーは自らの手で売上を上げていくという経験をし、評価もされて自信をつけていくことができました

今後、まだまだ解決すべき課題はあるものの、一つひとつをクリアにしていくことで本当に当初の高い目標を達成できると思っていますし、全社的なDXが加速する大きな転換点になると考えています。

また、人口が減少している中、衣料品市場は国内の市場だけを見ていては厳しいのが現状です。しかし、世界の衣料品市場を見ると、市場規模は1兆3千億ドル、さらに顧客の約40%が25歳以下と言われているなど、非常に成長が期待できる産業です。そのため、将来的には積極的な海外展開も構想しており、現在のEC事業支援にとどまらず、今後ともFLUXには一緒に事業推進を伴走いただきたいと思っています。

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