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高知県南国市の食育

高知県南国市の小学校では、各クラスごとに家庭用炊飯器でご飯を炊いていることを以前に書きました。
このことを書いた時はその情報しかなかったのですが、先日新たに南国市では学校給食の食材を地元の農協や漁協からのものしか使わない、ということを知りました。
今で言う地産地消ですね。
この言葉が出てくる前から、南国市ではすでに食育が始まっていたのですね。
この取り組みを始めて、20年以上になるといいます。

さらに、南国市では自分たちで食べるお米、その年の収穫分を自分たちで田植えするそうです。
自分たちで育てたお米で炊いたご飯、そんなご飯が給食に出てくれば大事に思い感謝し食べ残しなどは出ないのは当然ですね。
食に感謝し、「いただきます」や「ごちそうさま」をきちんと言って食事をする。
そんな当たり前の躾を、高知県南国市では実践しているわけです。

南国市の報告では、その食育の成果として様々な点を上げてます。
まず、給食での食べ残しが無くなったことが上げられます。
食料自給率が40%にも満たないこの日本で、残飯を大量に発生させている矛盾。
消費期限などという枠に縛られて、期限が近くなると捨てられる食素材。
某コンビニで、期限切れの弁当を見切り販売する店舗を認めないなどという事例がありましたが、捨てることを謳い文句にすることなど以前はあり得なかったことです。

そして南国市では、いじめなどの行動がなくなったそうです。
郷土食などを給食に取り入れることによって、自分たちの郷土の文化を愛し敬う心を育てているのですね。
そうすることによって、お互いに感謝する心を育み、豊かな情操教育が実践されているというわけです。

これこそが今で言う食育ではないでしょうか。
全国すべての学校給食に、この南国市の事例を取り入れることは難しいでしょう。
高知県のひとつの小さな市であるからこそできたことなのかも知れません。
小回りのきく地方都市だからこその事業なのかもしれません。
しかし、大都市では端から無理だと決め付ける前に、今なにを為すべきかを考えるよい材料になると思うのです。

学校給食を、面倒だからと委託業者にすべてを任せるのではなく、それぞれの市が自分たちの街の子供は自分たちで守るのだというしっかりとしたポリシーで、今一度考え直してみて欲しいものですね。

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