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【レビュー】『ファイアーエムブレム風花雪月』にハッピーエンドはない

先日ついに風花雪月の1周目を終えました。総プレイ時間50時間ぐらいで2ヶ月かかりました。これを他のソフトを挟みながらあと3周する予定です。

というわけで今日はいろんなところで「まさに地獄」と評されていた『ファイアーエムブレム風花雪月』についてのクリア後レビューです。
※カジュアルモード、教団ルートになります

 ストーリー:★★★★★
やりこみ要素:★★★★★
   難しさ:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆
グラフィック:★★★★☆
   操作性:★★★☆☆
    総合:★★★★☆
※個人の見解によるものです。


過去の記事にも書きましたが、私にとって本作は2つ目のファイアーエムブレムになります。

最初は教育要素が少し面倒に見えて購入は保留していたのですが、またもや実況に影響を受けました。

こうして考えると本当に実況動画って宣伝になりますね。基本的にはネタバレをしないように、買うつもりがないもの、クリア済みのものしか見ないのですが、このゲームに関しては実況見終わったあとに自分でもやってみたいと思える要素があります。


※画像によっては主人公や生徒の後半の容姿ネタバレがあります。気になる方はブラウザバック。


ストーリー:★★★★★

舞台は、アドラステア帝国、ファーガス神聖王国、レスター諸侯同盟の3つの勢力が均衡して存在するフォドラという大陸。その3つのどこにも属さず、傭兵として生きてきた主人公は、ある日3人の士官学生を賊から助けたことをきっかけに、士官学校の教師になることに。助けた3人の学生は3学級の各級長であり、さらには前述した3勢力の次代トップでもあります。主人公はこの中の1つの学級を担任し、卒業まで楽しく学校生活を……………謳歌することもなく、中盤から戦争編が始まり、属した学級の生徒とともにフォドラ統一を目指します。

このゲームが「地獄」と言われる理由は、最初に選択した学級が後に主人公が『味方をする学級』となり、『他の学級は敵になる』からです。(一部は複雑なルートがありますが…)戦争で敵になるということは基本的には殺すということです。担任をしていなくても他のクラスの生徒とは交流があります。少しでも仲良くなったり気に入ったりしてしまうと戦争編がより辛くなってしまいます。

そんな辛いストーリーでも評価が高いのはルート分岐があるからです。風花雪月には4つのルートがあります。黒鷲の学級、青獅子の学級、金鹿の学級とあるのですが、黒鷲の学級は途中さらにルート分岐で2つに分かれます。つまり、担任する学級によって、後半は属する勢力が変わり、視点も変わってきます。同じストーリーを多角的に眺めることで、それぞれの国の事情がわかってとても面白いなと思いました。だからこそ絶対悪というものが定義できず後半がしんどくなるわけなのですが……

ちなみに私は黒鷲ルートの分岐の1つ教団ルートと呼ばれるお話をプレイしました。実況は青獅子ルートでしたので後半の話は初見プレイということになります。


やりこみ要素:★★★★★

このゲームは4つのルートにそれぞれのストーリーがあるため、4周はする価値があると思います。もちろん好きなルート1つで終わってもいいとは思いますが、1周では伏線の完全回収はされないようです。以下簡単なルート説明です。(収集した情報を元に書いてます)




黒鷲ルート:赤色の学級で、アドラステア帝国の皇女エーデルガルトが級長をしています。後半の戦争編で戦争を仕掛ける側ですので、全体的には悪役ポジション。

黒鷲ルート(教団ルート):黒鷲ルートの分岐で帝国に味方しないルート。所属は士官学校のあるセイロス聖教会となります。主人公にスポットを当てたシナリオです。

青獅子ルート:青色の学級で、ファーガス神聖王国の次期国王ディミトリが級長をしています。学校編はどのルートも比較的共通ストーリーですが、この学級の生徒が絡む話が多いので最も王道ルートなのかもしれません。勧善懲悪ストーリー。闇が深め。

金鹿ルート:黄色の学級で、レスター諸侯同盟の盟主リーガン家の嫡子クロードが級長をしています。第三者目線でストーリーを眺めるのかなと思います。噂によれば1番和気あいあいとして重くないルートらしいです。


私は攻略サイトのオススメで、教団→青獅子→黒鷲→金鹿で進めようと思っています。順番によっては意図のわからないセリフが出てくることもあるようなので、好みでなく効率で最初のルートを決めたい場合はレビューや攻略サイトを参照したほうが良さそうです。

また、ファイアーエムブレムifでもありましたが、仲間同士の仲良し度(支援ランク)を上げることで見られる会話や、ほとんどの登場人物に主人公へのプロポーズシーンがありますので、人によってはそれらを回収するのも楽しいかもしれません。

↑お茶会に誘うことでも仲良くなれる。仲良くなるほど左側のお菓子が豪華になる。ちなみにこちらは1周目の夫です(笑)


難しさ:★★★☆☆(カジュアルモード)

モードによるとは思います。私がプレイしたのはカジュアルモードというもので、戦闘中に仲間が倒れても退却扱いで次の戦闘には復帰します。クラシックモードだと倒れたら死亡扱いでその後戦闘に参加しないそうです。クラシックの方が本格的ですし、いざとなったら天刻という巻き戻し機能もありますがやっぱり怖すぎてカジュアルモードにしました。戦闘自体は相性とか、命中率とか、単騎で集団に突っ込んだりしなければ基本的には大丈夫だと思います。わりとみんな低確率のクリティカルを引いてくれるので楽な印象でした。

↑会心率20%でもバシバシ出る。このクリティカルのカットインが出たときは勝確だ。


音楽:★★★☆☆

主題歌がすごくかっこいいです。タイトル画面で少し無操作でおいているとアニメOPみたいな映像が始まってとてもテンションが上がりました。私がプレイした教団ルートでは、終盤にかなり特殊な戦場が出てくるのですが、今までの戦争っぽい(?)BGMとは打って変わってテクノみたいなBGMになってとてもノリノリになりました。ifのような劇中歌もありましたが、ifの歌が好きすぎてイマイチ響かずでした。歌ってるキャラがちょっと胡散臭いからというのもあるかも……。

↑ifのイベントシーンでもすごいと思ってたのにさすが据え置き機。アニメのレベルが携帯機より高い。


グラフィック:★★★★☆

私にとってこれ以外のファイアーエムブレムは3DSでしたし、そもそもこのシリーズ自体据え置きハードが久しぶりらしく、グラフィックの向上は評価が高いそうです。戦闘もキャラが派手に動いてかっこよくて、攻撃モーションはもちろんですが、個人的には回避モーションがとても軽やかでおぉ!すごい!ってなりました。

↑戦闘中もこんなにアップにできる。自分が連れている騎士団や副官もちゃんと側にいるし、遠くにまだ行動前の生徒の集団も見える。細かい。

また、会話シーンでも指を指したり、ガッツポーズをしたり、頭を抱えたりと細かい動きをしながらお話ができるのでとてもリアルでした。プロポーズシーンで「お前を伴侶にする。異論は認めない。」と指を突きつけられたときはヤバかったですね。ときめきが。

↑ジェスチャーがほんとにたくさんあるし、右下のキャラクターアイコンの表情も数種類ある。心情を読み取りやすい。

散策では士官学校のあるガルグ=マク大修道院を自由に歩くことができます。

↑修道院は犬や猫がいっぱい。こんなにいるのに一切触れ合えないのは解せぬ。

大修道院という響きでお分かり頂けるかと思うんですが建物がすごくリアル!ペガサスや竜も空を普通に飛んでて、これがこの世界の日常なんだなぁと感動しました。途中から行けるようになる教会の美しさはほんとにすごいです。ついついステンドグラスを見上げてスクショを撮ってしまいます。

↑女神の塔の近くをドラゴンが普通に飛んでいる。

↑教会。思わず先生も見上げてしまうくらいとても広くて美しい。


操作性:★★★☆☆

動作が遅いとかカクカクしてるとかそういう不満は特に無いです。気になるところといえば、生徒にあげるプレゼントを商人から買うことがあるのですが、選択→個数選択(在庫はいつも1個しかない)→購入をするたびに「コチラデー、ヨロシイデスネー?」「アリガトゴザイマシター」というやり取りをするのがちょっと面倒なのでまとめ買いできたらいいのになと思うことが多々ありました。

また、散策する際、主人公がいる近くの扉はある程度近づくと開くようになっているのですが、ダッシュで駆け寄ると早すぎて扉の前で開くのを少し待つこともありました。教会前の門では特にありました。ダッシュしなければいいんですけどね!


総合:★★★★☆

1周しただけでもとても充実していました。生徒達と絆を深めながら成長し、後半は自分が育てた生徒達と一緒に戦うのがとても楽しかったです。ただの仲間ではなく生徒なので、戦闘で上手くいくと「よし!良くやったぞぉ!」と気持ちまで先生になっていました。ただ、今後他のルートをする時、この子達を手にかけないといけない瞬間が来ると思うのでそれが今から怖くてたまらないです。これは周回回数を重ねるほど辛くなると思います。地獄だ。

でもそれぞれのストーリーが気になるからやってしまうんですね。私はあらかじめ各学級で結婚するならこのキャラ!と目星を付けているのですが、結婚相手考えながら指導してる先生普通に考えたらキモすぎますね(笑)

自分も最終的には結婚するのですが、生徒同士もエピローグで結婚してたりします。誰とするかは支援レベルによるのですが、ここのシステムがifと違ったのでまだ慣れていません。ifは子供ができる関係からたしか支援の最高ランクは1人としかなれません。(記憶違いだったらすいません)こちらがこの子とこの子をくっつけるぞ、と仕組めばカップルが成立します。しかし今作は誰とでも最高ランクにいけるので、最終的に誰と結婚するかはクリアするまでわかりません。なので、支援会話を聞いてるときにすごくいい雰囲気になってても他の子と結婚してたりするので少し違和感を感じました。

最初は勝手がわからなくて時間がかかってしまいましたが、何をいつしたらどう効果が出るのかとか、効率の良い遊び方が前よりわかってるので、次からはもっとスムーズに遊べそうです。また、今回は主人公を女性でプレイしましたが、男性も選べるのでそっちもぜひやってみたいです。ちゃんとムービーシーンもキャラクターを差し替えているようなので2パターン見れます。豪華!

風花雪月は本当に良い意味でも悪い意味でも情緒が不安定になるゲームだと思いました。『ハッピーエンドがない』とタイトルに書いたのはどのルートを進んでも顔見知りを殺す必要があるからです。みんな笑って終われないのは悲しいけどそこにストーリーの良さがあるんですよね。まだまだ本作との付き合いは長くなりそうです。気になっている方は新作が出る前に始めてしまいましょう。これは時間がかかりますよ!

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