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【レビュー】過酷な迷宮探索『世界樹の迷宮X』

携帯ゲームソフトだし、そんなに時間かからないでしょう。そんな軽い気持ちで始めた本作ですが終わるのに3ヶ月かかりました。ゲームに触れられない時期もあったし、裏ボスや図鑑コンプなどできる限りのやり込みをこなした上でこれだけかかってるので、そんなもんかなとも思いますが、それでも想像以上の大ボリューム。さすが世界樹シリーズ集大成。だからなのでしょうか、世界樹初心者の私は過酷な洗礼を受けることになります。

※今回のレビューは私が世界樹初心者であるがゆえの評価と理由がたくさん含まれています。それを踏まえて読んでいただければと思います。

 ストーリー:★☆☆☆☆
やり込み要素:★★★★★
   簡単さ:★☆☆☆☆
    音楽:★★★☆☆
グラフィック:★★★☆☆
   操作性:★★★★☆
    総合:★★★☆☆

※個人の見解です

ストーリー:★☆☆☆☆

飛行都市マギニアに集結した君たち冒険者は、王女ペルセフォネの命により絶海の孤島レムリアに眠る秘宝を探すことになる。数多の迷宮の先で見つけたレムリアの秘宝は一体どんなものなのか?

ダンジョンといえば宝探し!というわけですが、マッピングが醍醐味だからかストーリーはあっさりめに感じました。どうやら過去作をしていると懐かしく思える要素があるらしいのですが、未プレイだったので味わえず、そこがストーリーに魅力を感じられなかった要因にも思えます。

ストーリーを薄めに感じた他の理由として本作には明確な主人公がいないということも挙げられます。キャラクター達がこちらに呼びかける際、「◯◯ギルド」「君たち」「汝ら」と呼ぶように個としてのメインキャラがおらず、それが私には感情移入先が無いように感じました。

名前が世界観をぶち壊してしまった(笑)

こちらの戦闘キャラもある程度自分でキャラメイクをするのでそこまで個性がなく、思い入れもあまり湧かなかったのですが、NPCのエンリーカちゃんは見た目と性格が好みだということはハッキリわかりました。

かわいい

やり込み要素:★★★★★

本編だけでもメインとサブの迷宮や依頼クエストが多く、かなり長く楽しむことができます。クリア後も新しい迷宮がいくつか出てきますし、裏ボスや出現条件の難しいボスもいます。さらに地図、モンスター、アイテムの3種の図鑑があり、これをコンプリートすることもやり込み要素の1つとなっています。やり込み要素を完全に終わらせた場合、スタッフロールは3回流れます。

ちゃんと褒めてもらえます。

簡単さ:★☆☆☆☆

難しすぎる!これが世界樹初だからなのか本作だからなのかは不明です。ボスの強さもさることながら、F.O.E.と呼ばれる迷宮を徘徊している中ボスがいて、基本的には探索段階では歯が立たず、戦闘を回避して進んでいきます。しかしF.O.E.の行動パターンや迷宮のギミックに悩ませれ、私は最初の迷宮から早くも攻略サイトのお世話になりました。そこそこゲームしている身としてはちょっとショック…。

最初のF.O.E.怖すぎた

さらにゲームプレイの難易度を大きく左右するのはパーティの職業だと感じました。私は見た目重視でメンバーを決めてしまったので、防御が紙だと言われている『シノビ』という職業が結構足を引っ張っていました。ヒーラーも最初は1人しかいなかったのですが、それでは回復が間に合わず、最終的に2人に増えました。遠距離攻撃や近距離攻撃、魔法と物理、バフやデバフと考えることがたくさんで最初にバランス良くパーティを組む必要があります。多少バランスが悪くなっても途中からサブクラスが解放されるのでちょっとした救済措置にはなります。

見た目は別職業ですが、モンハンライズの
ウツシ教官に似ていたので
職業シノビにしたら防御すごく低かった

状態異常も種類が多く、毒、麻痺、呪い、盲目、睡眠、そこに頭、腕、脚の『封じ』も加わります。封じは部位によってはこちらの行動を封じられてしまうのでとても厄介。さらに毒は他のゲームとは比べ物にならない殺傷力を持っており、序盤だとHPの1/3ぐらい毎ターン持っていかれるので解除必須です。いずれの状態も戦闘終了で解除されるのはありがたかったです。

実は後半の迷宮のボス戦で完全に詰んでしまい、クリアを諦めそうになっていました。しかしせっかく始めたゲームを投げ出して他のゲームを始めることに抵抗があり、苦渋の決断で難易度を下げることにしました。このゲームには4つの難易度があり、初めは下から2番目のBASICでプレイしていたので詰んでから1番下のPICNICに下げました。PICNICだと経験値が多かったり与ダメージ増、被ダメージ減という接待プレイが実現。これでスムーズに進められる!と喜んだものの、PICNICでもやばいやつはやばかったです。

ぐぬぬ…

音楽:★★★☆☆

迷宮では場所ごとの雰囲気に合うような神秘的な曲で、敵とエンカウントするとガラリと変わってロック調の曲が流れます。前述したF.O.E.戦では遭遇したことを後悔させるような怖そうな曲がかかったりします。ボスの曲も一貫してボス曲らしい壮大な曲が多いのですが、裏ボスだとメタルみたいに音圧の強い曲になったりもします。これらの曲も旧作のアレンジver.があったようなので過去作のプレイ歴があるとまた違った感想がありそうです。本編最後の迷宮の曲が、最初からよく聴いていた曲にコーラス等が足された豪華ver.で、終着点感が強くて鳥肌が立ちました。普段遊ぶゲームはオーケストラ風の曲が多いので結構新鮮でした。

グラフィック:★★★☆☆

3DS後期の作品にも関わらず、珍しく3D機能がついたゲームでした。たしかあの頃には3D機能不使用のソフトも多かった気がします。ポケモンも機能のついてないものが出ていた気がする。迷宮デザインがすごく凝っていて、視点がFPSのラジコン操作なので臨場感がありました。迷宮には抜け道があるのですが、最初の方はそこが少し見づらかった気もします。

左側の水が流れているところは
実は通り抜けられる

終盤にもなってくると大体どの辺に抜け道があるのか予想が着くので見やすさも特に関係はなかったかもしれません。敵のデザインが凝っていて可愛かったり禍々しかったり、特にボスは3D機能を使うと恐ろしさが一層強まります。

かっけー!

操作性:★★★★☆

最初はラジコン操作に不慣れで、思っていた方向と違う方に動いてしまい敵に見つかってしまうこともありましたがこれも慣れの問題ですね。システムに不慣れなところは多々ありましたが、操作性自体には特に気になるところもなく、バトルがオートにできたり操作を早送りできたり、売却もまとめて選択できたりと快適な面が多かったです。この売却のまとめて選択はちょっと慣れるのに苦戦しまして、売却するつもりでないものを知らず知らずのうちに選択していることがよくありました。

総合:★★★☆☆

過去一苦労したゲームでした。というのも、私が世界樹をしたいと思ったきっかけは(世界樹5の)体験版をしてみて「マッピングが楽しいから」が1番だったのでここまで戦闘もゲームの割合を占めていると思っていなかったのです。実際にプレイしてみるとマッピングはやはり楽しかったのですが、TP(MPみたいなもの)が切れるとほとんど戦えなくなり、雑魚敵ですら脅威になりますし、F.O.E.に見つかれば最後2ターン目には全滅させられますし、攻略情報のない状態でのボスには初見殺しを何度もさせられました。これをするすると、しかもBASIC以上の難易度でクリアできる方というのは、世界樹常連プレイヤーがほとんどなんじゃないかなぁと思います。

(たぶん)マッピングあるある
どの道を見逃したかわからない

今回私のゲーム史上初めて難易度を一番簡単なものに下げてしまい、最初はへっぽこながらもゲーマーとしてのプライドが葛藤していました。でもこのままでは絶対にクリアできない、そして私の性格上そんな状態で途中止めができず積みゲー消化が滞ってしまうことが1番の問題でした。なのでこのゲームをエンディングまで必ず観るということを最優先することでなんとか気持ちに折り合いをつけました。最後はモチベが下がりつつも、せっかく難易度を下げたのだからとできる限りのやり込みはこなして本作を終了としました。

素材集め頑張ってました。

また、主人公が曖昧な点も私にとっては初めての経験で、本作のプレイで、私は感情移入先のいない作品のストーリーが頭に入ってこないということがわかりました。これは今後プレイする作品を選ぶ上で大事な新発見だったと思います。

難しかったけどとりあえず納得いく形でやり切れてよかったです。世界樹ファンの方が読者におられましたら良さをいまいち理解できなくて本当にすいません。今回はマイナス感想が多くて申し訳ないです、ここまで読んでくださりありがとうございました。

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