【レビュー】何度も世界を救った勇者がのどかな街の錬金術士に転職してみた『ソフィーのアトリエDX』
ラノベ風タイトル(笑)
私にとって久しぶりの新規IP開拓となりました。今回レビューする『ソフィーのアトリエ』は数あるシリーズ作品の中で入門にオススメと多くの方に推されていた作品です。元々はPS3からPS4への移行期に発売されており、今回プレイしたDXはリマスター版となります。わりと最近続編の『ソフィーのアトリエ2』も発売された人気作品です。
発売日:2021年4月22日
プレイ機種:Switch
プレイ時間:ED見るまでなら50時間ぐらい
ーあらすじー
物語の舞台は自然に囲まれたのどかな街、キルヘン・ベル。祖母のような素敵な錬金術士になることを目指している新米錬金術士のソフィーは、自身のアトリエで言葉を話す不思議な本プラフタと出会います。どうして本になっているのか、元々は何者だったのか、プラフタは自身に関する記憶をほとんど失っていました。しかしソフィーが錬金術のレシピをプラフタに書き込むと少しずつ記憶が戻ることが判明。プラフタの記憶を取り戻すため、ソフィーの錬金術修行が始まります。
ーどんなゲーム?ー
大きく分けると2種類のゲームパートがあります。1つは錬金術パート。パズルのような錬金術を使うことで依頼されたものやストーリー上必要な物を錬成していきます。どんな材料でどのように作るかによって品質や効果、特性が変わってくるので仕組みを理解した上で工夫する必要があります。もう1つはコマンドバトルパート。錬金術に使う素材や魔物の討伐依頼、ストーリーのボスを倒すために戦闘をすることもあります。基本的には魔物を含めて素早さ順で行動するので行動順を考えて戦います。連携や必殺技は条件が合うと自動で発動するのでそれをいかに狙うかはテクニックが求められます。これらを日常的に繰り返し、プラフタの記憶を取り戻しつつソフィーを一人前の錬金術士に育てるゲームです。
良かったところ
キャラデザが綺麗で可愛い
初期のアトリエシリーズは女の子がふわふわ可愛い感じで、極端に言ってしまうと男性向けっぽい印象があり、自分の好みとは異なっていました。そんな私がアトリエシリーズを気になりだしたのはライザとソフィーを見かけてからでした。2人の活発そうな衣装や見た目がとても好きで、そこから入門するに至りました。勝ち気な女の子が好きなんです…!あと、ツヤツヤとした質感の髪の毛や衣装も綺麗で大好きです。一番好きなのはコルネリア!あまりの可愛さに一目惚れしました・・・。
ただ見た目の男性向けっぽさはおそらくこれまでよりはなくなったとは思いますが、一部キャラクターの胸が揺れたりはする。しかもスライムみたいにぐねんぐねん動く。ちょっとそれはうーん・・・。見間違いでなければぽっちゃりキャラのお腹も揺れるのは正直笑った。
工夫して錬金術を使うのが楽しい
本作をアトリエ入門に選んだ一番の理由は『錬金術が楽しいから』でした。実際プレイしてみると前評判通りでパズルのように錬成するのがとにかく楽しい。品質が高ければ依頼報酬もたくさんもらえるし、素材の組み合わせや配置次第で道具の効果も一層強くなります。より質が良くて効果的な特性を持たせるにはどうやって錬成するのがいいのか、試行錯誤した末に良いものができた時の達成感は癖になります。ストーリーが進むと良質な素材が手に入りやすくなりますし、能力の高い鍋を手に入れられるので最強の道具を作りやすくなるのも錬金術士として成長したようで楽しいです。
どんどん強くなれるのが気持ちいい
本作はこれまで遊んできたRPGに比べると戦闘部分はややあっさり。戦闘メンバーも八百屋の息子、時計屋、仕立て屋とパッと聞くと戦闘に向いてなさそうなキャラクターもいます。そのわりに敵の強さはNORMALであっても少し強めです。最初は戦闘のコツをなかなか掴めないし、スキルを使うためのMPの消費が激しすぎてすぐにスキルが打てなくなるし、LPという行動力が減ってしまうと弱体化してしまうしとたくさん苦戦しました。しかし終盤にもなってくるとボタン連打で適当に叩いてるだけでも倒せる程に皆強くなってきます。キャラクターのレベルも20がMAXで以降はステータスを強化していく感じなので他の作品に比べたらレベル上げには苦労しないかも。最初苦戦した分だけ終盤の蹂躙するような気持ちよさは大きかったです。
ストーリーがサクサク進む
このゲームは敵を倒すことが目的ではないので必要なものを錬成できていればストーリーが勝手にどんどん進みます。つまり詰みにくいのです。そのため進捗がない日がほとんどなく、毎日「今日はここまでできたなぁ」とホクホクできました。錬成するものの品質に指定がないのが救いです。どんなに質が悪くても物ができればOKだったので錬成が下手であっても次には進めます。
気になったところ
説明不足
錬金術とRPGの2つのパートがあると言いましたが、どちらもシステムが複雑なのに説明があっさりしすぎて全然仕組みが理解できませんでした。そのため別途ネットで解説を探して勉強しました。錬金術の品質とは、カテゴリ値とは、%とは、戦闘で追加攻撃してくれるのは誰なのか、どうやったら奥義を打ってくれるのか、オフェンスとディフェンスの使い分けとは。そのあたりは初心者には一発で理解は難しそうです。いや、難しかった。
タスクを絞りにくい
例えば新しいレシピを思いつくために特定のモンスターを倒しに行く*としましょう。
↓
ちょっと武器を強くしたい*なぁと思ってお金を稼ぐため*に依頼を受けます。
↓
モンスターの討伐依頼*や特定のアイテムの錬成*を依頼されます。
↓
依頼達成のために素材を採りに行ったりモンスターを倒しに行きます。
↓
合間にアトリエに戻るとメインストーリーが進んだりサブイベントが発生します。
↓
そのイベント中に特定の道具を錬成*したり、ボスに戦いを挑む*必要が出てきます。
今のチャート中に*をつけた部分がやるべきことです。一つの目的を達成するためにどんどんやらなきゃいけないことが増えてしまい元々やりたかったことを忘れてしまいがちでした。良かったところとしてあげていた『ストーリーがサクサク進むこと』が実はここにも響いてきてて、他のことをしている最中にストーリーが進み、タスクが増えてしまうという連鎖が起きがちだったりします。
クリア後の難易度が爆上がりする
気持ちよくサクサクと本編が終わって、それでもまだレシピが全部埋まっていなかったのでそれもサクッと終わらちゃおう!とクリア後要素を始めたのですが難しすぎる!!!何が難しいかというとクリア後に出現する敵。本編とは比べ物にならない強さです。HPも高いし、回復もするし、1ターンで複数のデバフをこっちにかけてくるしで相当強い。武器や防具を少し強くした程度では全く歯が立ちません。こっちは全滅したのにあっちは全快ってどういうことだ。そこで私はかつて世界樹の迷宮で使った禁断の技『難易度変更』を使い、とりあえず終わらせることを目的に再挑戦したのですが、HPが下がっただけで何も変わらなかった……。おかしいなぁ、世界、何回も救ってるんだけどなぁ。元勇者なんだけどなぁ。EASYで倒せない敵って…。攻略サイトをいくつか見てリベンジする予定ですが、EDも見たことだし程々にして断念するかも…。あまり深追いしすぎて嫌な印象で終わりたくない。
総合:★★★☆☆(3.5)
これがアトリエかぁ!といろいろと新しいものに遭遇する度に新鮮さを味わいながら遊べました。これまで魔王や邪神とたくさん戦ってきましたが、そういうのってたいてい最初に絶対にあいつを倒さなければ…!って状況から始まると思うんです。それに対して本作は錬金術を頑張ってプラフタの記憶を戻す、というふんわりした目的だったのもあるからか、プレイ当初はキルヘン・ベルの日常がとてもつまらなく感じていました。しかし進める程に操作に慣れてきたり、キャラクター達のことをもっと知れて愛着が湧いたりして、気付けばすっかり夢中になっていました。特にEDまでの後半の錬金術も戦闘もこなれた時期はサクサクいろんなことをできて一番楽しい時期でした。
ただ、ここまでやってみてプレイするきっかけとなった『入門にオススメの作品』であったかと言われるとちょっと難しいかも。と実際にしてみた私としては感じました。説明が不足していたことや、戦闘難易度が高いことは、のんびり錬金術を嗜んで可愛い女の子を見たぁいって人達にはあまりにも過酷だと思ったからです。
今回初めてアトリエシリーズを遊んでみて、錬金術の楽しさや錬金術のある日常を体験することができて、こういう世界の命運をかけない(最後までそうではなかったけど…)のんびりしたRPGもいいなぁと思えました。でものんびりするなら最後までのんびりさせてほしい。最後になって今まで適当に錬金術を使ってきたツケが回ってきたかの如く、倒せない強敵が出てくるなんて悔しすぎます。始めたばかりの頃に戻されたみたい。
結論としてはアトリエシリーズは私にはアリ、でも優先順位はそこそこといった感じで落ち着きそうです。一度体験したことで、またあののんびりRPGを遊びたいなぁと思う時も来るかもしれません。もし次にアトリエシリーズを遊ぶとしたら、同じく積んでいるマリーやライザより、まずは今回愛着が湧いたソフィーの続編を遊んでみたいです。2人の今後を見る機会があることに感謝ですね。
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