『ニックネーム』がカルテットになった理由
■体験をゴールにしてルールを選ぶ
ゲームを作る過程は、作家さんごとに違うと思います。ワーカープレースメント作りたい、トリテでやろう、など、システムからアプローチすることも多いと思います。
私たちは「名前を呼んで仲良くなる」という体験を目標にしましたので、それにマッチするルール選定から始めました。
目標が決まるまでの過程はこちら↑
■まずはマネて
ただ、1からルールを組み立てることは天才の所業ですので、既存のゲームのルールの中からベースとなるシステムを探すところから始めました。
このことは「パクリ」とよばれる懸念はありますが、最終的にどこまでオリジナリティを込められるか?という点に注視しつつ、いったん、ここは先人に感謝しながら既存のシステムを当てはめる方針にしました。
■「ななな社長」カルテットをみつける
そこで「ななな社長」が見つけたのが「大人が楽しい紙ペンゲーム30選」の中の「カルテット」というトランプのゲームでした。
丸田さんにサインをいただきました。カルテットへの付箋もそのまま。
■別路線の企画もいちおう作った
感覚的には「あ、カルテット1択ですよ。キタコレ」と思いましたが、無投票当選で決めてしまうのも気がひけるので、もう一つ、「全員が同時にカードをめくって、マークが同じだった人同士がいち早く名前を呼ぶゲーム」の2案を作りました。
お手伝いをしてもらっていた七味Studios永尾氏に2案を送って、どちらかが良いか選んでもらいました。
十中八九「カルテット」だろうとは思ってましたが、ある意味検算ということでした。
■ベースをカルテットにした理由
そして選ばれたのが「カルテット」でした。
理由はというと「名前を呼ぶことを勝負にして”いない”」からです。
名前を呼ぶことはゲームの最終的な目標なのですが、ゲームの勝敗と重ねてしまうと、名前を呼ばないといけない、名前を呼べないと負けるという、微妙に殺伐とするんですね。
ですので、このカルテットのルールは「カードをリクエストする人を指名する」ことが必要なだけなので、名前は勝敗に関係しない。でもシステム的に名前を呼ばないと成り立たない。「名前を呼んで仲良くなる」という体験としての目標に非常にマッチしていて、ほぼ一目惚れだったのでした。
もう一つの企画の「早く呼べた人の勝ち」というルールの場合ですと、名前を覚えているかどうか?が直接ゲームの勝敗を左右し、逆に言えば覚えにくい名前の人が勝ちになってしまう訳で、そういった体験は、ゲームの目標とはちょっとズレていると感じたのでした。
■このあと。。。
最終的にはカルテットのルール自体は改変せず完成ということになりました。
ルールにオリジナリティが加えられないか考えてみましたが、そもそも確立されたルールなので削るのは無理そうで、ルールを足すとなると、ゲームを理解することに体験が寄ってしまうので、もう一度、先人たちに感謝しつつ、このカルテットのルールで、より遊びやすいものにするべく次のフェーズに移るのでした。
『ニックネーム』の取扱店
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