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選手の涙が問いかけてくる

今朝は6:30に目覚ましで起きて、7:00スタートの男子マラソンを見た。

箱根駅伝から見てきた日本代表の中村匠吾、服部勇馬、大迫傑の各選手。卒業してからもニューイヤー駅伝などでその走りを応援してきた。

日本代表選手を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)では、この3人がトップ争いを繰り広げ、大迫選手が3位に敗れてしまうということもあった。しかし大迫選手は、2020年の東京マラソンで自身の日本記録を更新して、代表の最後の一枠に選ばれることになる。

なんかすでに選考の時点でドラマがいっぱいあって、今日の男子マラソン決勝はやっぱり集大成という感じがして、見逃さないわけにはいかなかったのだ。しかもレース前、大迫選手はこのレースで現役ラストにすると表明している。彼の走りを見られるのも最後になる。

中村選手は怪我の影響があったようで、はやめに先頭集団からは離れていたが、途中までは大迫選手、服部選手とも、良い位置で走っているように見えた。

が、服部選手が徐々に遅れだす。しかも遅れるというよりは、ずるずると後方に落ちていくという感じになる。

服部選手は結局、73位でゴールをしたのだが、最後のゴールの直線はいつ倒れてもおかしくないくらいで、おそらくももの裏などもつりながら走っていたのだと思う。ゴール後はメディカルチームにすぐ車いすで運ばれていたけれど、あとでニュースで読んだら「深部体温が40℃以上に上昇した熱中症の重い症状」だったそう。

そんな一歩間違えたら危険な状態でも走り続けた理由が「支えてくださった方や、ここまで戦ってきたライバルの思いを踏みにじるようなことは絶対にしたくない」というのを読んで、そのライバルたちとのこれまでの戦いを見ているだけに目頭が熱くなった。

それにしても、今日はエントリー106人中、30人以上が途中棄権したというくらいの厳しいコンディションで、ゴールした後のグロッキーな選手の様子を見ると、厳しいという言葉ではぬるいくらい過酷なレースだったことが伺えた。

一方、大迫選手はそんな過酷なレースでも、しっかり自分の走りを見せ、6位入賞を果たした。レース後、こみ上げる涙をしばらくの間タオルで押さえてからインタビューに臨む姿は最後までかっこよくて、「100点満点の頑張りができた」という表情は見ているこちらがすがすがしかった。ラストランが笑顔でしめくくれてよかったと、ほっとしてしまった。

大迫選手がこれまで切り開いてきた道のあとを続く選手が今後もっともっと活躍してくれることを願わずにはいられない。


東京オリンピックでは、男子サッカーもまた見ごたえがあった。サッカーはそれこそJリーグが開幕した頃から、日本代表の試合だけは見てきたけれど、今回のU24代表は本当にいい試合をしていたと思う。もちろんオーバーエイジ枠の3選手の安定感があってこそだけれど。

ニュージーランド戦のPK戦はほんとうにしびれたし、ひりひりするようなスペイン戦では負けたことはくやしいと思うけれど、それでも、テレビの前で「いい試合だった」と思わず拍手をした。

3位決定戦は予定があって終わりの方しか見れなかったけど、試合終了直後に久保選手がピッチの上で泣きじゃくっている姿は衝撃的だった。いつもあれだけ気の強い選手が、あれだけ泣くというのはどれだけ悔しかったことだろうと、うちの次男と同い年なのでついつい母親目線で見てしまって、もらい泣きした。

選手の涙には、それまでの過程、そこにかける思い、見据えている未来、その他一般人のおばちゃんが想像もできないほどのいろんなものが詰まっているんだろうなと思いながら、自分も残りの時間を、そういう涙を流せるほどに情熱を傾けて取り組めることはあるか?と改めて自分に問う機会となった。

知っている人がオリンピック開催に否定的な記事を書いていたりすると、なかなかオリンピックに肯定的なことは書きにくかったり、逆に知っている人がオリンピックを楽しんでいる記事を書いていると否定的なことが書きにくかったりするというのがあるかもしれない。

今日の閉会式から少し経てば、そういうちょっとしたもやもやも落ち着くかしら。


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