哲学対話「協調」の開催レポート
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哲学対話「協調」の開催レポート

毎月第4土曜日にオンライン哲学対話を実施しています。8月に引き続き9月も、土日と2日続けて開催しました。9月26日(日)に開催した際の様子をレポートします。

哲学対話の概要

哲学対話とは「普段はあらためて考えない疑問」、「すぐには答えが見つからなそうな疑問」について、みんなで語りあって思考を深めていく場です。一人ひとりが自分の経験や考えを、自分のことばで表現することを大切にします。それをお互いに聴き、問いかけ合いながらともに考える場です。

哲学対話は、近年いろいろな所で行われています。当日集まった参加者から出してもらう問いについて対話をする場合もあれば、主催者が事前にテーマや問いを決めて実施する場合もあります。

我々の場合は大きなテーマだけを事前に決めておき、当日そのテーマに関連して問いを出し合って、選ばれた問いで対話をスタートするというやり方で行っています。

過去のテーマはそれぞれ「対話」、「時間」、「夢」、「言葉」、「弱さ」、「笑い」、「つながり」、「学ぶ」、「遊び」、「信じる」、「読む」、「書く」、「聴く」、「楽しさ」、「無駄」、「不安」、「記憶」、「努力」、「考える」など。20回目となる今回のテーマは「協調」で、参加者は8名でした。

問いだし

冒頭で音声確認の意味も含め、①ニックネーム 、②どこから参加しているか?、③あなたにとって協調とはどんなことですか?について一人ずつ話していただきました。

・自分は協調性がないと思うので、変に気を使って疲れることが多い
・協調とは同じ目的に対して寄り添い、気づかいながらやっていくこと
・協調することは正しいことなのか?
・協調性があるってどういうことか?あるといいとされるのはなぜか?
・目的に合わせて協力していくこと。目的が正しくなくても飲み込まれてしまうこともあるのではないか
・よくわからない。同調とは違う
・あんまり考えていない
・共に調べること。同調圧力との違いも考えてみたい


その後、お1人ずつ、問いを考えて出してもらい、その問いで話してみたいと思った理由を共有しました。合体できるものはないか、問いを出した方に提案していただいていくつかの問いを一緒にしたあと、投票をして決めていきました。

・協調性がないと困るのは自分か、周囲か?
・協調と同調はどう違うのか? 
・人はそれぞれ違う意見を持っているのに、どのように協調は可能となるのか?
 (協調のためにどんな犠牲がはらわれるのか?)
・協調をしなければならない場合とは、どんな場合か?
 (協調を欲するのでなく、無くては困る場合はどんな場合か?)
 (「協調」が必要なときはいつか?)
(「協調」することは、社会生活では必要なことですか...?)

※( )内は合体した問い

このなかから同数の投票で選ばれた「協調と同調はどう違うのか?」という問いからスタートし、休憩をはさんで後半は「人はそれぞれ違う意見を持っているのに、どのように協調は可能となるのか?」について話していきました。


対話で出てきた意見や問い

※個人が特定されない範囲で、当日出た意見を紹介します。発言された言葉そのままではなく、進行役の解釈・編集が入っています。

まず「協調と同調はどう違うのか?」について、

同調は
・立場が上の人が圧力をかける
・相手にあわせる
・結論ありき

協調は
・自分から調和しようとする
・互いにゆずりあう
・結論は動いてもいい

という部分を共有し、2つ目の問いへ移りました。
(記録していたチャット欄を保存し忘れたため、ちょっと異なるかもしれません)

その後、休憩をはさんで「人はそれぞれ違う意見を持っているのに、どのように協調は可能となるのか?」について。

・ゆずりあっているだけでは何も決まらないこともある。プロジェクトなどでは大きな目的があるわけだから、誰かが何かを辛抱している状態が生まれてしまうのは避けられないんじゃないか?

・目的を達成するために同調することと、目的を達成するために協調することはどう違うのか?

・経営者やオーケストラの指揮者などは、目的を達成するために、個々人を納得させるリーダーの力量が問われるんじゃないか。

・目的を達成するなかで、妥協や犠牲が発生することもある。納得というのはとても重要。

・納得といっても、双方が50%ずつ妥協する納得と、2つの意見をまぜて第3の意見を創りだすような納得もある。

・納得が得られるためには、すべての人が公平に意見を言えることが重要。自分が言えることで、他の人の意見も聞けるようになる。

・協調には第三者がいるのか?協調したということを、誰が決めるのか?

・目的が達成されることで、協調が実現したといえるのでは。

・例えば、社長がものすごくがんばって目的を達成したとき、それは協調といえるのか?⇒いえない

・目的達成の過程において、双方が協調したという意思があって、結果がともなえば、証明できるのでは?

・目的が達成されなくても協調したといえるのか?

・目的があった方が、納得感は得やすい。

・口で協調したと言っていても、他者の気持ちは結局わからない。そういう意味で、協調というのは幻想なんじゃないか。

・たしかに、蓋をあけてみれば誰かの犠牲や我慢の上になりたっている幻想的な協調はあるかもしれない

・目的のない協調はあるのか?

・協調のなかに、すでに目的が含まれているのではないか。

・社会生活や友達関係は、「幸せでありたい」「仲良くなりたい」などの目的があるとも言えるし、ないとも言える。ただ、無意識にその方向に向かおうとしているという意味ではあるのかもしれない。

・特に仲良くしたいと思っているわけではないけど腐れ縁で続いている友人などは、目的があるのか?

・それはひまつぶしが目的では。

・夫婦、親子などは目的のない協調関係があるんじゃないか。

・結婚生活などで納得感を得るためには、見えていない目的をはっきりさせる必要がある。

・結婚の目的は「幸せになろう」という漠然としたものではなく、具体的な目標を明文化していくことが大事。

・仲良くなくてもゆずりあうこともある。目的がないように見えても、何か見えない目的があるかもしれない。

・居心地よくありたいというのが、みんなに共通している目的と言えるのでは。

・納得感と洗脳は何が違うのか?⇒洗脳は弱みを利用して納得させること


2時間の対話を終えて

参加者の方からご意見や質問をいただきながら、いつもよりも丁寧に確認をしながら進んでいった回でした。言葉の意味のずれを確認しながら、じっくりと考えることができたように思います。

丁寧に言葉の意味を確認していくことは、「辞書に載っている定義を共有する」こととはまったく異なります。意味が正しいかどうかではなく、一人ひとりがいつの間にか持ってしまっているその言葉へのイメージや、「なんで自分はそういうイメージを持ってしまっているのか?」という、それぞれの無意識の前提を深掘りしていくことにつながります。

終了後の放課後タイムでは、哲学対話における「人生観を語ること」や「自分語り」について、意見を交換しました。


次回開催の予定

次回は10月23日(土)10:00~12:00です。詳細・お申込みは下記からどうぞ。


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大前みどり

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対話ファシリテーター、ワークショップデザイナー。考えたこと、体験したこと、学んだこと、記憶の断片の記録。