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乳がん治療の記録⑥:化学療法(EC療法)

EC療法の経緯について、日記にはちょびちょび書いたけれど、まとめて書くことをしていませんでした。というのは、少し前まで思い出すだけで気持ち悪くなってたんですよね。ゾクゾクッとして胸のあたりが気持ち悪さがこみあげてくるような。なので先延ばしにしていました。化学療法はとっくに終了したので、思い出しつつ続きを書きたいと思います。

前回はこちら。


↑で、術後病理診断の結果を聞きに行った際に、化学療法の日程を決めた。

主治医の先生がいる日が金曜日なので治療もその日にと言われたのだが、そうするとおそらく土日が副作用で動けなくなりそうだった。週の始めに治療を受けておいたほうが週末に動けると思い、結局月曜日に変更してもらった。午前中だけ主治医の先生がいるからだ。

がんのタイプによって使われる薬剤が異なるようで、私の場合はEC療法とアブラキサンという2種類で行うということだった。3週間を1クールとして、それぞれ4クール実施。合計8クール、終わるまで約半年。

抗がん剤は点滴によって投与する。そして、全身に「たんぽぽの綿毛のように」広がっている可能性があるがん細胞を攻撃する。がん細胞だけでなく健康な細胞も攻撃する。なぜかというと、もともと自分の細胞の遺伝子のコピーミスが起こったものががん細胞なので、よく似ているからだ。

化学療法は、通常は通院しながら実施することが多いらしい。だが、先生が担当している患者さんは一泊入院して、ジーラスタという白血球を増やす注射を打ってから退院している人が多いということだったので、抗がん剤と注射で2回通うのも面倒だし、副作用が出ても病院にいるほうが安心だと思い、入院でお願いしますと言った。

入院当日は、まず身長と体重をはかる。体重によって薬の量が変わるらしい。それから病室に案内されると、すぐに先生が採血に来る。治療をしてよいかどうか、血液中の白血球数(特に好中球数)を確認するためだ。採血の結果が出るまでは生理食塩水の点滴をして待つ。

30分~1時間ほど、本を読んだり動画を見たりして待っていると結果が出て、治療OKと先生に言われる。私は10:30からの入院だったので、その時点でもうお昼に近い。お昼を食べてからにしましょうとなる。ただ、右手に、しかもよく動く手首の近くに点滴の針がささっているのでとても食べにくい。

昼食後、抗がん剤の前にまず吐き気どめを入れる。それがたしか30分くらい。そのあと2種類の抗がん剤を投与し、最後に残っている生理食塩水を流して終わり。全部で2時間半くらいかかる。

私の場合は、抗がん剤の前の吐き気どめを入れている時点ですでにクラクラとめまいがしはじめる。で、半ば朦朧としながら2時間半の点滴を受けるともう起きていられなくなる。水を多めにとるといいということはわかっていても、ずっと目が回っているような状態なので、背を起こしたベッドによりかかって水を飲む気力もわかない。

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これは、エピルビシンという赤い色のついた抗がん剤。吐き気が強い薬。今でもこの写真を見ると胃がうっとなる。


点滴が全部終わると、ベッドの背もたれを戻して倒れ込むように眠る。通院で治療している人は、これで家に帰るのだからすごい。私はムリ、とても帰れない。

どんどん水分を取って尿として出してくださいと言われるので、いつもより意識して水を飲んで、何度もトイレに行く。トイレに行くと、薬の色と同じ赤いおしっこが出る。この色は薄くなりつつも2日くらい残る。

夜になると吐き気が出てくる。吐き気止めを点滴しているからそんなに気持ち悪くならないと言われていたが、けっこう気持ち悪く感じる。でも吐くほどではないし、食事も問題なく食べられる。ただただずっとムカムカしている感じだ。

退院後、処方されたお薬のなかにも吐き気止めはあったのだが、このムカムカは1週間ぐらい続く。

ただ、それ以上につらかったのが便秘だった。説明書の副作用のなかには「下痢・便秘」とも書かれていたが、まったく便が出なくなってしまい、6日目にさすがにヤバいと思ってイチジク浣腸を買いにいってもらった(けっこう壮絶な体験をしたのだけれど、詳しく書くことは自粛します)。翌週、病院に行ってマグミットという便をやわらかくする薬と液体の下剤を出してもらった。先生によるとこれは人によるらしく、下痢になってしまう人も多いとのこと。

副作用の代名詞のような「脱毛」は初回の投与後の12日目に始まった。髪の毛が一気に全部抜け落ちるわけではないけれど、手ですくと結構ごっそり抜ける感じだ。シャンプーのときは、ゆすいでもゆすいでも抜け毛がとまらない。それでも、人間の髪の毛って10万本くらいはえているらしいので、抜け終わるまでには結構時間がかかる。というか、全部抜けるわけじゃなく、ところどころ残っているような感じだ。眉毛とまつ毛はいきなりは抜けないのだけれど、回を重ねるごとにじわじわと薄くなっていく感じで、少しは残っていた。だが、髪の毛も眉毛もまつ毛も、2つ目のアブラキサンのときに全部抜けた。

事前に本などで読んだ「口内炎」はまったくできなかった。口内炎ができると食事がとりにくいなあと心配していたのだが、大丈夫だった。「味覚障害」はじゃっかん出ていた。コーヒーが変な味に感じて、紅茶ばかり飲んでいた。

あと、時間差でやってきた副作用として「血管炎」がある。点滴をさした血管が炎症を起こし、固くなってしまった。4回のうち、2回同じ血管を使ったのだが、そこは今肌の上から触るとストローのようになっているし、その影響で腕がまっすぐ伸ばせなくなっている。

点滴の血管が取りにくい人や血管炎を避けたい人は、鎖骨の下あたりにポートというものを簡単な手術で埋め込むという方法をとる。

私はEC療法の後のアブラキサンのときには腕から血管がとれなくて足から投与していたので、最初からポートを埋めておいたほうがよかったかもとちょっと思う。が、これは最初にはわからなかったので後の祭りだ。

とにもかくにも、2021年1月の下旬から4月の中旬までで4クールのEC療法はこんな感じだった。

(ちょっと雑に書いてあるので、あとでちょこちょこ整えます)


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