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乳がん治療の記録⑦:化学療法(アブラキサン)


最後の投与から2ヶ月半くらい経っているので大分忘れかけているけれども、まだ書いていなかった2つ目の薬剤について。

EC療法を4クールのあとは、アブラキサンを4クール投与した。

アブラキサンはパクリタキセル系の薬で、副作用で吐き気はそんなにない替わりに、関節痛や末梢神経障害が出やすいという説明を受けた。

ちなみに、アブラキサンは10月以降、製造元から製造工程の見直しのため出荷停止というニュースが流れたばかり。現在、流通している薬の品質に問題はないということだけれど、すい臓がんなどの治療には不可欠なので、治療対象者の方は不安に思われているのじゃないだろうか。またちゃんと供給が始まるといいのだけれど……。

点滴の手順などは、最終日の抗がん剤投与の様子を、こちらに詳しく書いている。


EC療法と比べると、アブラキサンの場合は点滴の時間も短いし、気持ち悪さもないし、こんなに楽でいいのかと最初思っていたのだが、家に帰ってからの副作用がひどく、治療期間中で一番苦しい思いをした。

1回目の投与の翌日、夕方から腰、肩、腕などが痛くなってきた。副作用で出やすいものが、手足のしびれ、関節痛、筋肉痛と言われていたが、これが想像以上の痛みだった。

夜はうとうとしても、痛みで目が覚めてしまう。ロキソニンを飲んで、痛みが少しやわらいだ隙にやっと眠れるという感じだった。

投与から2日後には痛みがさらに強くなり、特に腰や股関節が、巨人にねじられているかのようにぎりぎりと痛い。我慢できるレベルを超えた痛みに加え、熱も38.4℃まであがったので、夜病院に電話して翌日病院に行ってみてもらった。

このあたりの顛末はこちらに書いている。


関節痛の副作用が強く出たので、2回目以降は薬の量を2割減らすことになった。その結果、関節痛も我慢できるレベルの痛みで治まった。

その他の副作用としては、気持ち悪さはないけれど、便秘がひどかった。EC療法のときよりもまったく食欲もなく、しぶしぶ食べるものの腸が動いている感じがない。浣腸を何度か使った。

あとは末端神経障害で、指がずっとじんじんと痛い。洗い物をしていて、よく食器を落とした。

爪は黒くなったり、ボコボコになったり、ひどいときには剥がれることもあると何かで読んだけれど、そんなに黒くはならなかった。黒くなったときのために濃い色のネイルなども用意したけど、ピンクの部分が少し黒ずんだぐらいだったので、ほとんどネイルをしないで済んだ。ただ、ドアに挟んだみたいに、投与をした4回分、へこみができた。

2クール目以降に、残っていた眉毛とまつ毛、髪の毛はすべて抜けた。眉毛がすべて抜けると、場所がわからなくなって、描くのが大変だった。さらに、黒い地毛がないので描いた眉毛がやたらと茶色く見える。

地毛のまつ毛がないとつけまつげも着けにくく、外出する前は準備に結構時間がかかっていた。

振り返ってみると、髪の毛がないことよりも、眉毛とまつ毛がないことは、心を暗くした。鏡を見ると気分がどよーんとした。

心配していた顔のむくみはなかったので、それは一安心だった。むくみがひどいと、オンラインにしてもオフラインにしても、仕事できないかもと心配していたのだ。

味覚障害はあったかな……?記憶にないので、あったとしても微々たるものだ。口内炎はなかった。

アブラキサンの最後の投与が終わってだいたい1か月後から、放射線治療とホルモン療法が始まった。


※走り書きのため、ふりかえる時間があるときにまた内容を整理します。

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