#12 【写真でお散歩】マンハッタン最北端のガーデン、ヘザー・ガーデン (Heather Garden)の春。一緒にエリカと春の小球根を見に行きませんか?

画像1 お出かけもままならない、今日この頃。せめて写真でガーデンのお散歩、ご一緒にいかがですか? 過去に訪れたガーデンの記録から、シェアさせていただこうと思います。(photo archive series 2013.4.6)
画像2 今回は、ニューヨーク市のマンハッタンの最北端にある、フォート・トライアン・パーク(Fort Tryon Park) の中にある、ヘザー・ガーデン(The Heather Garden) に行ってみましょう。 フェンスも入場料もなく、自由に出入りできるガーデン としては、ニューヨーク市内で最大級。右手の後ろにジョージワシントン・ブリッジ、その向こうは、ニュージャージー州です。
画像3 ヘザー・ガーデンの存在を、ニューヨーカーでも知らない人は多いはず。でも、ヘザー・ガーデンから歩いて5〜10分のところにある、メトロポリタン美術館の別館、「クロイスター美術館 (The Cloisters)」の近く、といえば、「へー、あそこに、そんなガーデンが」となるわけです。右の奥に見える塔のような建物がクロイスター美術館のあるところ。中世キリスト教の美術がコレクションされています。美術館に行くなら、ヘザー・ガーデンも一緒に訪れることを、おすすめします。
画像4 ガーデンは、ゆるくカーブした道がループ状になっていて、ぐるっと一回りできるようになっています。その散歩道の両側に、ボーダー花壇が広がっています。
画像5 ハドソン川と、対岸のパリセイドの 崖の連なりを臨む高台にあって、渡る風は爽やか、空気も美味しく、案外と人が少なくて静か。  ご近所さんのお散歩、ジョギングコース、となっています。
画像6 ヘザー・ガーデンの、「ヘザー」って? Heather は、日本では、カルーナ (Calluna)と学名で呼ばれている植物です。この写真の手前の花が咲いていないものがヘザー。  写真奥、花が咲いているのは、ヒース(Heath)、学名エリカ(Erica)。
画像7 イースター(キリスト降誕祭)の時期、3月、4月にエリカが咲いて、夏にカルーナが咲きます。両方植えておくと花が長く楽しめますね。カルーナは、葉っぱの色もオレンジやグレー、いろいろあるので、組み合わせると、それだけで鮮やかなカーペットの出来上がり。
画像8 白いエリカです。
画像9 ピンクのエリカです。
画像10 エリカとカルーナ以外にも、ほふく性のある灌木も混ざっています。ブルーグリーンのジュニパーや、赤い実のなる、コトネアスター(Cotoneaster)も彩りを添えています。
画像11 この種類のコトネアスターは、上向きでなく、横に育つので、日本のベニシタンに近いです。
画像12 3月の終わり、4月の初め頃には、小球根がたくさん咲いています。エリカやカルーナの間から可愛い顔を覗かせていますのでゆっくり、右、左を見ながら歩いていきましょう。
画像13 ピンクの中にブルーを見つけると嬉しいですね。 上向きの花で、雄しべが歯みたいになっているのが、チ(or キ)オノドクサ (Chionodoxa)。右手前の、チオノドクサよりも青くて、小さく、うつむき加減に咲いているのが、シラー・シベリカ(Scilla)。 一昔、誰もが植えたシラーは、すっかり勢いに負けてますね。 最近は、チオノドクサとシラーと自然交配して、チオノシラー、っていうのもあるからややこしい。こっちは、「はびこりすぎ」、と言われるくらいたくましい。
画像14 小さい、アイリス (Iris reticulata 系列)は、花の時期が短いのですが、植えたくなりますね。そして、短い花の間にうまく出会えると、嬉しいです。これは、’ハーモニー’っていう品種かな。小さなピンクの花、エリカとともに。
画像15 アイリスは、リスやシマリスが食べないから、ニューヨークでは重宝がられます。こっちのぶどう色のは、よく見かける ’ポーリーン (Pauline)’かな。。
画像16 こんなに贅沢に、’キャサリン・ホジキン (Katharine Hodgkin) ’が使われてる! 古い絵はがきのような、このレトロな薄いブルー、大好き。
画像17 クロッカスは、小さめがニューヨーカー好み。こちらは、ラベンダーのシルバーリーフとともに。ほとんどが、クロッカス・トマシニエイナス(Crocus tommasinianus)の品種。舌を噛みそうな名前なので、私のボスは、「トミー」って呼んでました。どういうわけか、リスとシマリスには、美味しくないのか、不(!)人気なんです。どんどん増えていってくれるし、自然な感じになっていいですよ。
画像18 トミー!
画像19 黄色のクロッカスと、赤い葉のカルーナ、のコンビネーション。
画像20 小球根のアネモネには、寒さに強い、アネモネ・ブランダ (Anemone blanda)がありますよ。地面近くに咲いてます。可愛いけど、なかなか、「トミー」や「チオノシラー」みたいには、旺盛には増えてくれない。頑張って!
画像21 ループになっている道の半分は、西に面した坂になっていて、ヘザー・ガーデンを見上げる形で歩きます。氷河期のグレイシャーの名残の岩盤の間に、暑さと乾燥に強い、シーダム(Sedum)やラムズ・イヤー、ジュニパーなど。ローメインテナンス。
画像22 オレンジ色、ブルーグリーン、シルバー、葉っぱだけでも美しいですね。
画像23 シーダムの葉のオレンジ色。その間には、シバザクラの葉が見えます。もう少しするとピンクの花が咲きます。
画像24 地面ばかり見ていたら、ほら、ツツジが咲いていました。他のツツジに先駆けて、落葉のカラムラサキツツジ (Rhododendron mucronulatum) のようです。
画像25 アナベル系のハイドレンジアは、まだ去年の花穂がついたまま。もうすぐカットされるでしょうね。
画像26 いつ行っても、何か咲いている、ヘザー・ガーデン。早朝空気の清々しい間、もしくは夕方、ハドソン川に沈む夕陽を眺めに、など、のんびりできる素敵なガーデンです。何が咲いているかは、その時のお楽しみ。何度でも訪れたくなるガーデンです。
画像27 最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。 また、ご一緒しましょうね。

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