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日本語力の低下

先日、600文字の文章を書く機会があり、日本語は正しく書かなければと言葉一つ一つを丁寧に吟味していました。その過程で、「日本語力の低下」というワードで、大変興味深い記事を見つけました。

9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ 
by 河合 薫氏  健康社会学者(Ph.D.)

この「9時10分前」という言葉、もちろん8時50分という意味を表しますが、9時過ぎ~9時5分くらいの事を意味すると思っている若者がたくさん存在するということが書かれていました。
私には衝撃の内容でしたので、早速小学2年の息子に聞いてみましたところ、「8時50分」と理解しており安心しました。

これはほんの一例であって、日本語力の低下は思っている以上に進んでいるのでは?と心配になりました。この記事には若者とありましたが、30代、40代の方たちは理解できているのでしょうか?周りの30代、40代の方たちの文章を読んでいて、読みにくい文章、しっくりこない文章、引っかかる文章などたくさんあります。若者だけではなく、もうずいぶん前から日本語力の低下は始まっているんだろうなと思います。

ここ日本では半分くらいの方が大卒と考えると、相当な時間、国語を勉強してきたと考えられますが、稚拙な文章、起承転結のない文章を見るたびに、この方は今までどのような文章を読んできたのか、どのような勉強をしてきたのか、疑問に思うことが多々あります。
学校では、国語の授業を大事にしていますし、日本で義務教育をきちんと受けていれば、それほど日本語力が低下するとは思えません。
それなのに、日本語力の低下が叫ばれいるのはなぜだろうか?と考えてみました。

まず、日本語をたくさん吸収する幼児期(就学前)にすでにテレビやゲーム、ネットなどで、あまり正しくない言葉や文章をたくさん聞いてしまう。
また、親も忙しく、子供との会話があまりない、一緒に本を読まないなどにより、正しい日本語に接する機会が少ない。
そういう環境で育った子は、基礎的な日本語力がついていないので、小学校の国語の授業についていけない。さらに、算数であっても問題の意味が理解できず解けない。
そして状況をさらに悪くしているのが、英語とタブレットの授業ではなかろうか。低学年の間は、英語は歌ったり、簡単な単語を覚えるのみ、タブレットはタッチタイピングや単純な計算問題の繰り返し。文章題もなく、単純な作業で、低学年には楽しめる内容となっている。
これでは、正しい日本語は身につかないだろうなと思います。

タブレットの操作方法は、授業でやらなくても今の時代、自然と覚えます。英検1級合格者、英語での日常会話ペラペラな数名に聞きましたが、英語の勉強は中学生からで十分。それよりも、日本語、日本史をしっかりと勉強しておかないと、外国へ行って恥をかくよとおっしゃってました。
その通りだなと納得です。

日本語は習得するのに苦労する言語だと言われています。したがって、0歳からしっかりと正しい日本語を習得できるような環境を整えてあげて欲しいなと思います。
親子での楽しい会話、親子での読書で十分だと思います。親も勉強だと思って、楽しく日本語学習をやってみてはいかがでしょうか?

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