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帰国子女あるある〜帰国後の悩み③

「自分の中のコンプレックスを克服する方法は、それを上回る成功体験を積むこと」という話について、前回触れました。
(参照:①、②)

この考え方は、正直当時は分かっていなかったのですが、
社会人2年目になってからたまたま出会えた、尊敬する研修トレーナーであるASKアカデミーの松田友一氏に教わったことで、明確になりました。

人は皆自分の中にコップのようなものを持っていて、そこに「承認のオイル」を溜めているのだそうです。オイルには2種類あって、自分で自分を認めるオイルと、他人に認めてもらって溜めるオイル。当然、自分で自分を認めるオイルの方が重量が重いので、いくら他人からの承認を得ていても、自分で自分を承認してオイルを満たしていなければ、コップが一杯になることはないとのこと。そして、自分で自分を満たすには、「小さな成功体験を積み重ねる」ことが必要だと教わりました。どんな小さなことでもいいので、「これをやるぞ」と決めたことを「やったぞ」、「達成したぞ」という風に積み重ねていくことで、承認のオイルがちゃぷちゃぷと溜まっていきます。最終的に、そのオイルがコップから溢れるほどいっぱいになった時に、人は自信に満ち溢れている、という話なのです。

私にとって人生で最初の成功体験は、大学受験でした。当時、私は中高一貫の私立高校に通っていたので、せっかくなら6年間同じ部活で頑張ってみようと自分で決心し、バスケ部で活動していました。エスカレーター式で入学可能な大学が高校と同じ敷地内にあったため、バスケ部のメンバーはほぼ全員エスカレーター式の大学に進むのが当たり前になっており、高校3年生になってもギリギリまで引退せずに部活を続けるのがバスケ部の風習でした。

そんな中、エスカレーター式の大学ではなく、県外の国立大学を第一志望としていた私は、少し浮いていました。
公立高校の3年生が夏には部活を引退していく一方で、私はしっかりと11月の大会まで部活を全力でやりきり、キャプテンという役職まで全うして引退したのですが、同時に限られた時間内でかなり集中して受験勉強をしていたのです。センター試験の模擬試験結果では、常に第一志望の大学進学の可能性がD判定で、両親や担任の先生からも「志望校を変えた方が良いのでは?」と言われていました。

でも、当時の私はなぜか頑なに「志望校は変えたくない」と思っていたのです。
おそらく、帰国してからずっと、私は「帰国子女だから英語ができるのは当たり前で、受験に有利な立場にあるのはフェアじゃない」という罪悪感に似た感覚に苦しめられていました。本当は同級生にも「英語で点数稼いでるのずるいよね」と思われていたんじゃないか?英語以外、何もできない人間だと思われてるんじゃないか?という不安とずっと戦っていました。そして、この大学受験という機会に自分を含む全ての人を見返したいという気持ちが強かったのだと思います。

結果的に、第一志望の前期入試は見事落ちてしまったのですが、諦めきれなかった私は後期入試で再チャンレジし、奇跡的に合格しました!!!結果発表をインターネット上で確認し、自分の受験番号を発見したときの感動は今でも忘れません。「決めたことを達成する」ことがこんなにも気持ちの良いものだと初めて心の底から充足感を味わい、「私もやればできる人間だ」と自信がみなぎる感覚が湧いたことを覚えています。

こうして、全力を尽くした大学受験に合格したという結果を持って、帰国子女にありがちな私のコンプレックスも徐々に払拭されていったのですが、この「成功体験の大切さ」については、まだまだ書きたいことがあります。それについては、また別で触れますね。

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