1分小説 『無敵な連携プレイ』 #シロクマ文芸部
「走らないで!」
という悲痛な叫びに団地内の公園にいた大人達が一斉に振り返る。
「どうしたの?」
「何かあった?」
「大丈夫ですか?」
駆け寄った人達が心配そうに問いかける。
「長男と次男が左右に走っていって……
ねえ、どうしたらいいの?!」
半ばパニックに陥っているママさんは、もう一人女の子を抱えていた。
「その子は預かるから次男を追いかけて!」
一人が言うと
「長男くんは私が捜すわ!」
「僕はここに残って、他の子ども達を見てますね」
と、瞬時に役割分担